全駐労、韓国基地労組と共闘 労働条件の改善目指す


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 全駐労(組合員約1万5千人、照屋恒夫中央執行委員長)は、日米地位協定を根拠に国内の労働法令が適用されない米軍基地従業員の労働条件改善に向け、韓国の米軍基地従業員の労働組合との連携を深めている。

間接雇用の形態である日本とは違い、米軍が直接雇用している韓国の労組が米軍と団体交渉する際に、オブザーバー参加することも検討している。雇用主である日本政府に国内法の適用を今後求めていくための参考にしたい考えだ。
 韓国側との連携は、全駐労の役員が4月23~25日に韓国を訪問した際、在韓米軍基地の労働者でつくる全国駐韓美軍韓国人労働組合(駐美労組)が労働条件改善に向けて提案。全駐労側も応じ、双方が抱える課題解決に向けて共闘することを確認した。
 両労組は1994年の意見交換をきっかけに互いの労働環境を視察するなど交流してきた。今後は具体的な労働条件や米側との交渉法などについて積極的に情報交換する方針。全駐労は時間外労働の限度などを定める「36協定」が未締結であるなど、国内法に基づく労働条件が守られていない日本の現状と、海外の米軍基地の労働条件を比較し、改善を図りたいとしている。
 韓国視察に同行した全駐労の与那覇栄蔵副委員長(全駐労沖縄地区本部委員長)は「韓国の労組は米軍と交渉するノウハウを持っている。運動方法は参考になる」と述べ、日本政府側との労働条件改善の交渉に生かしたいとしている。