ウェッブ氏、米大統領選に出馬検討 辺野古見直し主導


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2012年に来県し、記者団の質問に答えるジム・ウェッブ元上院議員=県庁

 【ワシントン=島袋良太本紙特派員】米軍普天間飛行場の辺野古移設計画の見直しを提唱していたことで知られる米民主党のジム・ウェッブ元上院議員(68)が、2016年次期大統領選の候補者に浮上している。訪米した稲嶺進名護市長もウェッブ氏と会談し、辺野古移設中止への協力を要請しており、普天間問題でのウェッブ氏の言動が今後注目されそうだ。

 ウェッブ氏はレーガン政権で海軍長官を務めるなど、安全保障や外交分野に精通する。07年に上院議員に就任。12年に超党派の有力議員が辺野古移設計画を見直すよう米政府に働き掛けた際には、その中心となった。13年に引退した。
 19日の米ラジオ番組でウェッブ氏は次期大統領選について「妻と私は次に何をすべきか話し合っている。この国が抱える問題を解決したい」「私はいい副大統領にはなれないと思う」などと述べて出馬検討を明らかにし、米主要メディアなどで注目を集めた。
 ウェッブ氏はことし1月に訪米した糸数慶子参院議員らと会談した際に、普天間問題について「辺野古が唯一の解決策という意見に同意しない」「沖縄県知事が求めれば、日米両政府と再編計画の当事者である沖縄、グアムの協議を仲介したい」と述べている。
 稲嶺市長との19日の会談では「今でも辺野古移設は難しいと思っている」との見解をあらためて示した上で、「引退したので直接的な働き掛けは難しいが、個人としてできることは協力したい」と述べた。
 次期大統領選は現段階で、与党民主党がヒラリー・クリントン元国務長官の(66)が本命とされ、野党共和党ではブッシュ前大統領の弟でジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事(61)らが有力候補者と目されている。