船舶制限強化を指示 辺野古調査、7月にボーリング


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 政府は、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた海底ボーリング調査を7月から実施する方針を固めた。移設に反対する海上抗議活動を排除するため、住民らの提供水域内への進入に対しては、米軍施設・区域への立ち入りを禁じた刑事特別法(刑特法)に違反する「海上犯罪」に認定し、船舶停止や航路変更指示、危険な行為の制止などを積極的に行うよう、海上保安庁に指示したことも分かった。

 関係者によると、6月23日の慰霊の日のほか同26、27日に天皇、皇后両陛下の沖縄訪問も検討されており、調査への反発拡大を避けるため開始を7月以降とする方向で調整している。
 一方、政府は代替基地建設に向けた埋め立て工事を来夏の予定から繰り上げ、今年11月予定の知事選前に着工することも検討。埋め立て工事に向けて名護市への漁港使用許可申請などの手続きを進めている。
 沖縄防衛局は5月にボーリング調査業務の入札を終え、6月上旬までに業者と契約する予定。ボーリングは辺野古沖の21地点を掘削する海底地質調査に11日間、船を使った磁気探査に40日間、潜水での磁気探査に140日間を予定し、海上の9地点に単管足場、水深の深い12地点にはスパット台船を配置する計画だ。
 ボーリング調査は2004~05年に住民らの抗議活動などで中止された経緯があるが、安倍政権は取り締まりに慎重だった海保幹部を更迭するなど取り締まり徹底を指示。提供水域に進入した場合、刑特法違反の「海上犯罪」と現場で認定し、海保法18条1項に基づき船舶停止や航路変更、危険行為の制止などを行うよう求める。
 防衛省は反対派住民の阻止行動で安全に調査できなくなる恐れがあるとして、全国の職員を沖縄に派遣するほか、沖縄防衛局名護防衛事務所職員の増員を検討している。