沖電、4強進出 都市対抗野球九州予選第2日


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西部ガス―沖縄電力 6回裏、勝ち越しの適時二塁打を放つ沖縄電力の大城亮=1日、浦添市民球場(花城太撮影)

 社会人野球の第85回都市対抗野球九州地区予選兼第53回九州選手権大会第2日は1日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇と浦添市民球場で準々決勝4試合を行った。県第1代表の沖縄電力(浦添市)が西部ガス(福岡市)を8―4で破り、ベスト4に進出した。

沖縄電力は3日、JR九州(北九州市)と対戦する。県第3代表のてるクリニック(那覇市)は熊本ゴールデンラークス(熊本市)に1―9でコールド負けを喫した。てるクリニックは2日、九州第2代表を目指す敗者復活トーナメントで新日鉄住金大分クラブ(大分市)と戦う。ホンダ熊本(熊本・大津町)は三菱重工長崎(長崎市)を9―4で下した。JR九州は苅田ビクトリーズベースボールクラブ(福岡・苅田町)を七回コールドの13―0で破った。敗者復活に進んだ県第2代表のビッグ開発ベースボールクラブ(那覇市)は2日、三菱重工長崎と対戦する。

◆1点の攻防 大城千金打
 先行しては追いつかれる雨の中のシーソーゲーム。地元・浦添の大声援を背に、沖縄電力は持ち味の“粘り”を発揮し、勝利をつかんだ。目標とする九州第1代表へ向けて好発進した。
 試合を決めたのは7番打者の一振りだった。4―4で迎えた六回裏。無死で主将の平田太陽が死球で出塁し、大城亮が打席に立つ。1点が欲しい場面に、大城の頭にはバントがよぎった。しかしベンチからのサインは「打て」。「任されている。打つだけだ」と気合を入れると、真ん中の直球を振り抜いた。
 左中間を破る二塁打で一塁から平田が一気に生還し、勝ち越しに成功。ゲームの流れをたぐり寄せた。
 投手は、雨で制球に苦しみ与四球11。それでも五回から登板した狩俣穏が5イニングを1失点に抑えるなど、我慢の投球で相手に流れを与えなかった。投手陣の粘りに「普段、助けられているので今度は助けたかった」(平田主将)と打線が先発全員安打で応えた。
 昨年の九州予選では、2度敗者復活に回り、第3代表に滑り込んだ。小川勝司監督が「はい上がってきたことが、大きな自信になった」と言うように、そこでの苦しい経験を糧にチームは粘り強さを身につけた。地元の歓声と経験を武器に、ことしは九州の1番を目指す。(荒井良平)