てる、ビッグ予選敗退 都市対抗九州予選第3日


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新日鉄住金大分クラブ―てるクリニック 5回裏2死満塁、走者一掃の適時二塁打を放つ友寄翔=2日、浦添市民球場(金良孝矢撮影)

 社会人野球の第85回都市対抗野球九州地区予選兼第53回九州選手権大会第3日は2日、那覇市のセルラースタジアム那覇と浦添市民球場で、敗者復活の第2代表決定トーナメント1回戦4試合を行った。

県第3代表・てるクリニック(那覇市)は3―5で新日鉄住金大分クラブ(大分市)に敗れた。県第2代表・ビッグ開発ベースボールクラブ(那覇市)は1―14で、三菱重工長崎(長崎市)にコールド負けを喫した。てるクリニックとビッグ開発の九州予選敗退が決まった。西部ガス(福岡市)は鹿児島ドリームウェーブ(鹿児島市)に17―3で、九州三菱自動車(福岡市)は苅田ビクトリーズベースボールクラブ(福岡・苅田町)に12―1で、それぞれコールド勝ちした。

◆強豪相手、一歩届かず/てるC 悔しさと充実感
 九回裏、友寄翔がレフトフライに倒れ、てるクリニックの都市対抗挑戦は終わった。九州の強豪にあと一歩届かなかった悔しさと、3試合を県代表として戦い抜いた充実感。試合後、整列した選手の表情には、その両方が宿った。
 打線は少ないチャンスをものにした。1点を追う五回裏。2死から宮城義明がチーム初安打となる中前打で出塁すると四球とヒットで満塁に。2番・友寄は、ワンボールから「次はストライクを取りに来るはず」と読み切り、真ん中の直球を狙い打った。走者一掃の3点タイムリー二塁打で逆転に成功した。
 3試合連続の先発となる安里渉はランナーを許しながらも、丁寧に低めを突く投球で七回途中まで2失点で切り抜けた。その後は得意とする小刻みな継投で追撃をかわそうと試みるが後続が捕まった。七、八回に1点ずつ奪われて追いつかれると、九回に勝ち越しを許した。
 選手たちは、仕事と野球を両立させる生活に戻っていく。友寄は「これからの野球人生にとって、いい経験になった」と大会を振り返る。投手コーチも兼ねる安里は試合後「『あの時、あのボールを投げられれば』という場面があったと思う。その1球を投げられるように練習しよう」とチームメートに呼び掛けた。九州予選で手に入れた掛け替えのない経験を糧に、てるクリニックの挑戦は続く。(荒井良平)