翁長氏「県に力尽くす」 出馬明言避ける 自民市議団要請


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 那覇市議会の最大会派、自民党新風会(11人、金城徹会長)は5日午後、那覇市役所で翁長雄志市長と会い、県知事選への出馬を要請した。翁長市長は「那覇市長として、集大成としての那覇市の街づくりをしっかり築いていきたい」と述べるにとどめ、出馬については明言しなかった。

一方で、「那覇市づくりとともに、沖縄県に寄与できるように一緒になって力を尽くしていきたい」と述べ、基地問題の解決に向け、オール沖縄の枠組みの構築、維持に強い意気込みを表明。要請を受け止め、検討する考えを示した。翁長市長に対し、公の場で県知事選の出馬要請が行われたのは今回が初めて。
 新風会の金城会長は「確固たる信念に基づく政治姿勢や行政手腕を県政で生かすべきだとの期待が日増しに高まっている。自民党新風会は、県民の信頼を広く集め、県民の心を結集し、県民の負託に応えうる最適の候補者として翁長市長を決定した」との要請書を読み上げ、市長に手渡した。
 要請後、翁長市長は記者団に対し、「出馬する予定は、今は考えていない。前向きとも違う」と述べた。一方で、「那覇市の街づくりと同時に、(米軍普天間飛行場の県内移設断念などを求めた)建白書のときのような県全体の枠組みづくりもやってきた。今後も、並行してやっていきたい」と述べた。
 自民党県連は「党の方針に相反する」として同党所属の那覇市議17人に対し、要請の中止か要請行動への不参加を求めていた。要請には新風会11人のうち10人が出席し、安慶田光男市議会議長も同席した。