琉球新報社 
社会人野球の第８５回都市対抗野球大会九州地区予選第７日は６日、沖縄セルラースタジアム那覇で第３代表決定トーナメント準決勝などを行い、沖縄電力（浦添市）は５―２で三菱重工長崎（長崎市）に勝利、第３代表決定戦に駒を進めた。
沖電は東京ドームで行われる本大会出場を懸けて、７日に西部ガス（福岡市）と対戦する。沖電は初回に狩俣達也の三塁打で２点を先制すると、暴投の間に１点を追加した。三回には田場亮平の左越え本塁打で１点、五回に狩俣達の二塁打で１点を加えた。先発の狩俣穏は８安打を許しながらも要所を締め、２失点で完投した。第２代表決定戦はＪＲ九州（北九州市）が４―０で西部ガスに勝利した。西部ガスの天久朝治（石垣第二中―岡山・高梁日新高―九州国際大）は５番指名打者で出場したが、無安打だった。
◆これぞ４番の底力／狩俣達、３打点
沖縄電力の４番・狩俣達也は配球のイメージを頭に描いていた。初回１死一、二塁で迎えた最初の打席。初球のスライダーを見て感じた。「この投手は変化球で攻めてくる。もう一度、同じ球が来るはずだ」。２球目は予想通りのスライダーだった。確実に捉えると、打球は左中間を破った。「（球が）うまく来てくれた」と笑顔を見せる主砲が三塁打で先制点をもたらした。
三菱重工長崎は第２代表決定トーナメントで敗れた相手だった。狩俣は「絶対に負けないとみんなで話した。気合は十分だった」と語る。昨年の九州大会も一度は敗れた相手に勝利して第３代表権を手にしたことから「リベンジの試合に強いという自信もあった」。
初回に制球の定まらない相手投手を責めて３点を先取。三回に田場亮平が左翼ポール直撃の本塁打で追加点を奪った。今大会２本目の本塁打を放った田場は「打った瞬間に飛距離は十分だと思った」と口元を緩める。直前に１点を奪われていたため、「何とか投手を援護したい」という思いも強かった。
五回には狩俣が再びスライダーをはじき返して１点を追加した。この日３打点の主砲に小川勝司監督は「力通りの活躍をしている」と目を細める。狩俣は「今大会は思い切り振れている。次もチームで気持ちを一つにして勝ちを取りに行く」と誓った。（平安太一）
