知念、王座ならず ボクシング日本ライトフライ級


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チャンピオンの木村悠を攻める知念勇樹=7日、東京・後楽園ホール(池田哲平撮影)

 プロボクシングの日本ライトフライ級王座決定戦が7日、後楽園ホールであり、日本ライトフライ級3位の知念勇樹(琉球ジム)は同王者の木村悠(帝拳)に0―3の判定で敗れ、王座獲得はならなかった。知念はこれで16戦14勝2敗となった。

 昨年に引き続き2度目の王座挑戦となった知念は、序盤から果敢に攻め立てたが、試合巧者の木村は打ち合いを避け、スピードを生かした攻撃でポイントを稼いだ。
 後半にかけては知念に焦りが見られ、大振りする場面が目立った。

◆終始相手ペース 知念「力出し切った」
 昨年の敗戦から再起を果たし、雪辱を誓った知念勇樹。リーチの長さや身長差で分がある知念が想定したのは、木村が接近戦をしかける展開だった。知念は序盤から果敢に前に出たが、王者の木村悠は打ち合いを避け、知念が引いたところでボディーを的確に打ち込んだ。
 要所では右アッパーが木村の顔面を捉えたものの、試合は終始木村のペースで進んだ。「追っていく展開はイメージしていなかった」と知念が語るように、徐々に焦りが見られ、リーチを生かした拳は空を切った。
 知念は練習相手がいない沖縄で淡々と練習を積んできた。1日も練習を休むことはなく、イメージトレーニングを繰り返してきた。試合の約2週間前にフィリピンからスパーリングの相手を呼び寄せて実戦形式の練習も重ねたが、本格的な実戦は昨年9月以来。後半にかけては徐々に足も止まった。
 木村の所属する帝拳ジムの浜田剛史代表は「知念も木村もボクシングの力は互角。木村の方が知念の戦い方を研究していた」と語る。二度目の日本王座挑戦も届かなかった知念は、試合後「やはりチャンピオンはうまかった。力は出し切ったので完敗だ」と唇をかんだ。(池田哲平)