FC琉球、大敗 サッカーJ3第15節


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
後半、セットプレーで競り合うFC琉球のDF前田晃一(5)ら=8日、沖縄市陸上競技場(仲本文子撮影)

 サッカーJ3のFC琉球は8日、Jリーグ・アンダー22(U22)選抜と沖縄市陸上競技場で第15節を戦い、0―6で敗れた。琉球は3連敗。4勝3分け8敗で勝ち点15、順位を一つ下げて12チーム中10位に転落した。

リオデジャネイロ五輪を目指すU―21日本代表選手がそろったU22選抜が、スピードや個人技で琉球を圧倒した。琉球は前半、猛攻に耐えて0―1で折り返したが、後半4分に2点目を奪われるとその後も失点を重ねた。次は15日午後3時、藤枝MYFCと静岡県の藤枝総合運動公園サッカー場で対戦する。

U22選抜 6勝0分け9敗(18)
6―0(1―0,5―0)
琉球 4勝3分け8敗(15)
▽得点者【U】野津田、豊川、石毛、喜田、松村、矢島

 【評】FC琉球が、U22選抜に格の違いを見せつけられた。琉球は前半、ペースを握られながらもMF藤澤典隆らが積極的にシュートを放つがゴールならず。前半30分、U22選抜の波状攻撃に耐えられず、先制点を奪われた。U22選抜のプレスが機能し始めた後半は、琉球が中盤のミスを突かれ、失点を重ねた。U22選抜は連係を欠く場面も見られたが、圧倒的な個の力で琉球を翻弄(ほんろう)した。(荒井良平)

◆能力の差、出た試合
 薩川了洋監督(FC琉球)の話 能力の差が出た試合。いい立ち上がりだったが長続きしなかった。(パスの出し手と受け手の関係性についても)向こうが上。うちはまだまだ練習の意識が足りない。「個人の差」と言えば終わってしまう。この差をチームとしていかに埋めるか、選手も考えるし、自分も考えていく。

◆追加点を奪い優位に戦えた
 高畠勉監督(U22選抜)の話 先制点と後半立ち上がりの追加点で優位に戦えた。まだまだピンチやセットプレーでばたばたする場面があった。経験を糧に、成長につなげていければいい。

◆スター集団に歯立たず
 祭りの主役はFC琉球ではなく、リオデジャネイロ五輪を狙う若手スター集団だった。FC琉球は大量6失点でU22選抜に惨敗し、4362人の観客へ勝利を届けることはできなかった。
 野津田岳人(広島)、石毛秀樹(清水)、豊川雄太(鹿島)…。先発の平均年齢は19・64歳ながら、いずれもJ1で主力を張るサッカーエリートたちが、琉球のパスサッカーを崩壊させた。
 個の力で圧倒的に上回るU22選抜に対し、琉球は序盤から組織的な守備で立ち向かう。しかし、U22選抜は前半30分に先制点を奪うと、本来の姿を見せ始めた。
 U22選抜の強烈なプレスに、琉球はパスの出し所を失い、最終ラインでボールを回さざるを得ない。対する琉球のプレスは、すっと体を入れ替えられてかわされ、圧倒的な瞬発力でぶっちぎられる―。そんな場面がしばらく続くと、琉球のミスが増え始めた。それがことごとく失点につながった。
 DF古賀鯨太朗は「もっと声を掛けあって守備の網をかけていくことができれば、6失点もしなかった」とうつむいた。MF小幡純平は「一人一人の責任感のなさとミスが失点につながった」と悔やんだ。
 薩川了洋監督は試合後「選手たちも悔しいと思うが、この差を受け止めないと」と語った。個々の差を埋めるため、チームとしてどう戦っていくか。残された宿題は大きい。(荒井良平)