仲井真弘多知事の後援会は10日、那覇市内のホテルで拡大正副会長会を開き、今秋の知事選に3選を目指して出馬するよう仲井真氏に要請した。仲井真氏は出馬するかどうかは明言せずに「受け止める」と述べるにとどめ、6月か7月に態度を明らかにする考えを示唆したという。
一方、県政与党の公明党県本などには、仲井真氏の3選出馬に慎重な意見も出ている。自民党県連内では知事選での自公の枠組み継続を最優先させた上で、仲井真氏の出馬を待望する考えが強く、足並みがそろっていない。
後援会の出馬要請は文書ではなく、出席者がそれぞれ口頭で出馬を促す形で行われた。会合後、宮城信雄会長(県医師会会長)は「後援会の総意として出馬を要請した」と説明した。
出席者は出馬要請の理由として、一括交付金制度の確立や沖縄振興予算の確保などの経済振興政策、失業率の改善、米軍普天間飛行場の5年内運用停止要求などを列挙。「今までの流れを断ち切ってはいけない」などと述べ、出馬を促した。
会合には宮城氏や副会長の国場幸一県経済団体会議議長、荻堂盛秀やんばる物産社長、大嶺克成沖電工社長の3人ほか、女性部「ひまわりの会」代表、青年部「志弘会」代表らが出席した。川上好久副知事も参加し、8日に開かれた市町村長らによる仲井真氏の激励会について報告した。
後援会の出馬要請について、公明党県本関係者は「そのまま知事選にスライドするわけではない。候補者の顔がはっきり見えてからだ」と述べるにとどめた。
◆仲井真知事「まだ時期ではない」
仲井真弘多知事は10日、後援会から出馬要請があったことについて、記者の質問に対し「(要請という言い方は)正確ではない」と述べ、慎重な姿勢を示した。また「まだそんな時期ではない。(後援会幹部らが)自由自在にいろんな話をした中での話だ」と述べるにとどめた。