津波(南風原)高跳び制覇 九州高校総体


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男子走り高跳び 2メートル02を1回目でクリアする津波大樹(南風原)=12日、沖縄市陸上競技場(諸見里真利撮影)

 陸上の第67回全国高校選手権大会南九州地区予選大会第1日は12日、沖縄市陸上競技場で行われ、男子走り高跳びの津波大樹(南風原)が2メートル02で優勝を果たした。

2位には高良留佳(那覇西)が入った。女子走り幅跳びでは平良さき(中部商)が追い風参考ながら5メートル88の県高校タイ記録を出して2位となった。女子やり投げは黒島美香(八重山)が2位、田端真実(久米島)が3位となった。男子400メートルの川満健太(那覇西)は3位に入った。

◆ベスト更新、達成感
 津波大樹(南風原)はマットからバーを見上げた。挑戦したのは「初めて飛ぶ」と言う2メートル02。バーは微動だにせず、同じ場所にあった。「やった」。自己ベストを上回る記録をたたき出した津波は、男子走り高跳びの頂点に立った。「すごく達成感がある」。表彰台の一番高いところに立ち笑顔がはじけた。
 好感触はあった。1メートル99をクリアしたときに仲間から「バーと体の幅に余裕がある」と言われた。続いて指定したのは2メートル02。2メートルより上は練習でも飛んだことがなかったが、「みんなが飛べると言ってくれたから自信を持てた」。助走から跳躍まで余計なことは考えず競技に集中した。「バーが揺れていないのを見て初めて成功したことを知った」と白い歯をのぞかせる。
 今大会では助走のスタートを半歩下げる方法を取り入れた。タイミングがうまくかみ合えば跳躍の際の最高到達点が上がるという。「確実に飛ぼうと思ってやってみた」と振り返る。「いいライバル」と認めている高良留佳(那覇西)と最後まで優勝争いを繰り広げ、「刺激になった」と好記録を後押しした。
 身長173センチは「走り高跳びの選手で低い方だ」と語る。それでも「絶対に飛んでやる」と強い気持ちを抱き続けた。昨年の全国総体は記録を残せず予選敗退した。「今年は表彰台を狙う」。悔しさを晴らすため、全国の舞台でも躍動する。(平安太一)