道の駅許田の不明金 巨額損害5000円で決着、株主批判


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 【名護】13日夜、名護市内で開かれた「道の駅許田」を運営するやんばる物産(名護市)の第22期(2013年4月~14年3月)株主総会は、複数の株主から約1903万円の不明金に対し、管理態勢のずさんさや株主らへの損害についての厳しい指摘が相次いだ。荻堂盛秀社長らは役員報酬の削減を提案し、再発防止への全社体制での取り組みを説明しながら謝罪した。総会は2時間半余に及んだ。

 総会では当初、不明金について議案に上がっていなかったが、出席者から説明を求める声が上がり、社側がそれに応じた。社側はレジの不正操作が巧妙で2年間にわたり不明金が見抜けなかった点や、発覚以降の警察への告訴と現在までの経緯などを初めて、詳細に株主へ説明した。株主からは「これほど大きな額になるまで、なぜ気付かなかったのか」「再発防止策はどうなっているのか」などの疑問が投げ掛けられた。
 中でも、不明金への関与を否定する当時の会社関係者から5千円を回収したことに質問が集中した。社側は「本人が認めていない以上、財産調査もできないため、5千円だけの回収となった」と説明したが、回収により事態終結を決めた理由や人物の特定方法、金額の根拠を指摘されると口をつぐんだという。少額の回収は、筆頭株主の市にも事後報告だったという。
 平謝りに終始し、具体的に説明しない社側の姿勢に株主は「誠意が感じられない」「トップが責任を取って辞職するべきだ」と納得いかない様子だった。