少年の深夜徘徊急増 補導、全国の6倍


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 2013年に深夜徘徊(はいかい)で補導された少年の数が、少年の人口千人当たり約180人となり、全国平均(29・4人)の約6倍となった。総数は延べ4万1818人。さらに13年に県警に摘発された刑法犯少年1315人のうち、中学生が占める割合は59%となり、3年連続で全国最多となった。

県警や県教育委員会などは13日、急増する深夜徘徊を受け、緊急の県民集会を県庁で開き、青少年の健全育成に向けた活動の推進を確認した。
 県警の統計によると、刑法犯少年の摘発数は05年の2313人から7年連続で減少していたが13年は1315人(前年比225人増)と8年ぶりに増加に転じた。内訳は中学生が59%(776人)と最多。次いで高校生が18%(237人)、無職少年9・5%(125人)、有職少年8・2%(108人)と続いた。また、13年中に飲酒や喫煙など不良行為により補導された少年は延べ5万9695人で、前年から1万8808人(前年比46%増)増加し昨年の過去最多を更新した。飲酒、喫煙、無断外泊、深夜徘徊での補導が全体の96・6%を占めた。
 県警は、深夜徘徊が飲酒や喫煙などの非行や窃盗など犯罪行為に手を染めるきっかけと捉えている。県警少年課は「少年が深夜徘徊する要因の一つとして、家や学校に居場所がない。彼らのよりどころとなる『居場所』をつくることが防止につながる」とし、社会全体での協力を呼び掛けた。
 13日の集会では、深夜徘徊防止に向け、基本的生活習慣の確立や規範意識の向上への決意を込めたアピール宣言を採択した。

深夜徘徊防止に向け決意を新たにする集会参加者=13日午後、県庁
刑法犯少年に占める中学生の割合