優作、首位キープ 九州オープン選手権第3日


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 男子ゴルフの2014九州オープン選手権第3日は14日、名護市の喜瀬CC(7183ヤード、パー72)で行われ、首位でスタートした宮里優作が73で回り、スコアを1つ落としたが通算9アンダーでトップを守った。

70で回った小田孔明が宮里に並び、首位タイに躍り出た。県勢は國吉博一(パームヒルズ)が5アンダーの5位に浮上した。伊差川紘治は2オーバーで15位、狩俣安志は3オーバーで20位、アマチュアの玉城海伍(カヌチャ)が4オーバーで24位につけている。途中、雨のため競技が約40分間中断した。

▽第3日成績 (1)小田孔明207(67、70、70)(1)宮里優作207(68、66、73)(5)國吉博一211(72、70、69)(15)伊差川紘治218(72、72、74)(20)狩俣安志219(72、76、71)(24)※玉城海伍220(73、72、75)(29)※玉城元気221(73、73、75)(29)又吉拓之221(73、74、74)(29)※伊波宏隆221(71、77、73)(29)嘉数光倫221(71、70、80)(39)仲村譲二222(73、72、77)(54)當山秀人225(79、68、78)(55)川上典一226(74、73、79)(62)宮國雄一朗228(72、76、80)※はアマチュア

◆風雨耐え、連覇王手/優作
 次第に強まる雨脚に、苦しみながら耐えた。宮里優作はショットのコントロールを乱しながらも、2バーディー3ボギーと我慢のゴルフで首位の座を死守した。
 雨が降り始める前の序盤にスコアを伸ばした。アウトからスタートすると、5番(パー5)は3打目をピンそばに寄せ、パットを着実に沈めた。6番(パー4)はティーショットでフェアウエーを捉えて2オンに成功。連続でバーディーを奪い、波に乗るはずだった。
 しかし8番以降、風雨が激しさを増した。9番(パー5)は4打目をグリーン横のバンカーに入れ、この日初めてボギーをたたく。
 その後は「雨が降ってからショットが良くなかった」というようにスコアを二つ落としたが、大崩れせずに73でまとめた。最終18番(パー5)ではあわやチップインバーディーという見せ場もつくり、雨の中で見守った観客を沸かせた。
 九州オープンを昨年制してから「あと一歩で勝てない」呪縛が解けたかのように、半年後にはツアー初優勝を果たした。連覇へ「後はやるだけ。頑張ります」。短い言葉の中に決意がこもった。(荒井良平)

◆さえたパッティング/國吉 69に自ら「神懸かり」
 「神懸かりですね」。雨で周囲がスコアメークに苦しむ中、69で回り5位タイに急浮上した38歳の國吉博一(パームヒルズ)は照れたような笑みを浮かべた。
 前日に引き続き、ショットは安定せず、ほとんどフェアウエーをとらえられなかった。それでも「神懸かり」的にさえ渡ったパッティングが躍進を支えた。
 17番ではバンカーの水たまりから打った約20ヤードのアプローチがそのままチップイン。バーディーを奪った。「入ったところは見えなかったけど、ラッキーだった。あれが大きかった」と振り返った。
 2005年を最後にツアーを退いた。今はゴルフ場の副支配人を務め「練習する暇がない」。過去2回の九州オープンはいずれも予選落ちで、昨年は第3子の誕生と重なったため、出場を回避した。上位6人に与えられる日本オープンの出場権も見えてきたが「自分が出ていいものか…」と謙遜する。
 それでも日本オープンはゴルファーにとって、一世一代の晴れ舞台。昨年、誕生した優希ちゃんは来週1歳を迎える。「頑張ります。そこ(出場権獲得)に入れるように頑張らないといけない」。巡ってきたチャンスを手に入れるため、ベテランは気合を入れ直した。(荒井良平)

18番、アプローチショットを放つ宮里優作=14日、名護市の喜瀬CC(諸見里真利撮影)
1番、ティーショットを放つ國吉博一