当真(中部商)幅跳び2位 九州高校総体


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 全九州高校総合体育大会は14日、九州各地で行われ、沖縄市陸上競技場であった陸上では、男子走り幅跳びの当真大智(中部商)が1位と1センチ差の6メートル98で2位に入った。同800メートルの山城興平(前原)は1分56秒09で3位だった。

ハンドボール男子の興南と、サッカー女子の美里はベスト4進出を決めた。

◆1センチ攻防、惜敗も手応え/男子走り幅跳び・当真(中部商)
 会場に手拍子を求め、集中力を研ぎ澄ませて臨んだ最後の6回目。「6メートル98」。記録が読み上げられると、当真大智(中部商)は腰に手を当て、苦笑いした。その横では優勝を決めた選手が歓喜の雄たけびを上げる。雨中の激戦となった男子走り幅跳びは、1センチ差で明暗が分かれた。
 3回目で6メートル90を跳んでトップに立った後、記録を伸ばせず3位に後退した。迎えた6回目。「楽しくやれば勝てる」。笑顔で助走路に立ち、拍手に乗って力強く踏み切った。跳躍自体は悪くなかったが、わずかに届かなかった。
 「7メートル30を跳んで優勝したかった」と当真。1センチでの敗北に悔しさはあるものの「はまれば跳べる」と、目標の数値へ手応えはつかんだ様子だ。身体能力に頼った跳躍が目立った昨季と違い、今季はフォームが固まり記録も安定している。この日も、雨風の影響や手拍子のリズムを考えながら助走距離を調整するなど落ち着きが見られた。
 リレーでの出場はあるが個人種目での全国総体は初めてとなる。「1本目から7メートルを跳べないと通用しない」と課題を挙げ、「(決勝進出ラインの)7メートル20を跳んでファイナリストに残りたい」と意気込む。15日には三段跳びと1600メートルリレーに出場予定で、まずは高校最後となる九州の舞台を全力でやり抜く。(大城周子)

◆スパート勝負逃げ切れず/男子800メートル山城(前原)
 男子800メートルで県勢11年ぶりの優勝を狙った山城興平(前原)は、決勝でスパート勝負に屈して3位。「1位を目標にしてきたので、自分の中では2位から6位では『負け』という感じ」と悔しさを口にした。
 午前中に行われた予選。終始先頭で引っ張ったが、最後にかわされて3着。タイムで拾われて進んだ決勝も、レース運びは変えなかった。「今季はこのやり方でいいタイムを出してきた。逃げ切る自信はあった」。だが、残り1周、最後の直線と、ギアを上げる強豪選手たちのスパートは想像以上だった。
 「いつ抜こうかと狙われている感じがあった。正直怖かった」と、九州勢の駆け引きを学んだ山城。初めての全国総体はさらに高いレベルが待ち受ける。「挑戦者なのでまずは準決勝進出が目標。全国の選手にも通用するよう練習していきたい」と前を向いた。

男子走り幅跳び 1位にわずか1センチ及ばず準優勝した当真大智(中部商)=14日、沖縄市陸上競技場(金良孝矢撮影)
男子800メートル決勝 最後の直線で力走する山城興平(前原)