見守り隊は地元先輩 夜間巡回、積極的に声掛け うるま石川


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パトロール中に会った子どもたちと会話する石川ネイバーウォッチパトロール隊の佐次田篤志さんら=4日、うるま市石川

 【うるま】地元のことは地元に住む自分たちで守る―。うるま市石川で3月に結成した石川ネイバーウォッチパトロール隊が、毎週定期的に石川地域を夜間パトロールしている。メンバー12人は石川出身の30~40代が中心で、地元の同級生や先輩後輩で集まった仲間だ。

子どもの健全育成を活動目的の中心にし、パトロール中には子どもたちに積極的に声を掛ける。最近では石川地域の各学校のPTAやおやじの会、交番員らとの連携も広がっている。
 パトロール隊結成は代表の佐次田篤志さん(38)が運営する福祉事業所の祭りで、仲間が集まった時の会話がきっかけだった。昨年、石川地域で犯罪が増えていたことを全員が心配していた。「地域のために自分たちができることを始めよう」とパトロールの実施を決めた。
 現在ではパトロール隊のメンバーだけでなく、各学校のPTAや地域住民など多くの人が活動に参加するようになった。4日のパトロールには約20人が集まった。白浜交番の漢那徳雄交番長が石川地域での犯罪の発生件数などを報告し、情報を共有。参加者は各校区別にパトロールに出発した。
 メンバーはパトロール中に会った子どもを頭ごなしに叱り、帰宅させることはしない。若かったころの自分たちを思い出しながら「どこの中学校出身?」「受験頑張れよ」と話し掛け「気を付けて帰れよ」と見送っている。
 佐次田さんは「地域の子どもを地域で育てたい。子どもたちが大人になった時に専門学校や大学に行かなくても先輩とのつながりで職人になれる、仕事ができるというような、子どもたちが輝ける場所につなげていきたい」と話している。(東江亜季子)