全九州高校総合体育大会は15日、九州各地で行われ、沖縄市陸上競技場であった陸上では、男子110メートル障害の崎本和誠(那覇西)が決勝で14秒47の大会新記録をマークし、前田紘毅(鹿児島商)と同着優勝を飾った。
同円盤投げは松川司(沖縄工)が42メートル52で頂点に立った。ハンドボール男子の興南は決勝で千原台(熊本)に33―32で競り勝った。自転車のスクラッチでは當原隼人(与勝)が栄冠を手にし、重量挙げ団体は沖縄工が制した。サッカー女子の美里は準決勝で敗れ、3位決定戦に回った。
◆惜しくも同着優勝/崎本、地元開催盛り上げ
まれに見る大接戦で最終日を盛り上げた。男子110メートル障害決勝。崎本和誠(那覇西)と前田紘毅(鹿児島商)が並んでゴールに飛び込んだ。記録は大会新記録だ。競技場が緊張感に包まれる。写真判定でも差がつかず同時優勝がアナウンスされると、祈るように両手を握りしめていた崎本の表情が緩んだ。
本来は後半の伸びが持ち味だが決勝はスタートから攻めた。「1台目に入った時から、他の選手を寄せ付けないでいけると思った。自分だけの世界に入ることができた」。最後の10台目を越えた時点までは先行したが、惜しくも残り約14メートルを逃げ切れなかった。それでも、那覇西の先輩・仲桝大吾の大会記録を14年ぶりに更新しての優勝に「自分の走りに集中すれば結果が付いてくるとあらためて思った」と胸を張った。
基礎的な技術や体力を磨く冬季を腰痛でほぼ棒に振り、本格的に練習を再開したのは3月からだ。チームメートらの励ましを力に「高校最後で諦められないと思った。焦らず自分のペースでやれば大丈夫と信じてやってきた」と言う。
地元開催の南九州地区予選で弾みをつけて乗り込む全国総体は、県高校記録(14秒20)を照準に定める。「楽しんで悔いの残らない走りをして表彰台に立ちたい」。端正な顔立ちのハードラーの笑顔に、自信がのぞいた。(大城周子)
※注:崎本の「崎」は、「大」が「立」の下の横棒なし