日本軍史料のスパイ記述解説 沖国大の吉浜教授講演


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「戦後69年目に考える沖縄戦―沖縄戦住民記録・日本軍史料から何が分かるか―」=15日、那覇市の県立博物館・美術館

 沖縄国際大学の吉浜忍教授による講座「戦後69年目に考える沖縄戦―沖縄戦住民記録・日本軍史料から何が分かるか―」(主催・県立博物館・美術館)が15日、那覇市の県立博物館・美術館で開かれ、155人の参加者らは真剣な表情で聞き入った。

 吉浜教授は県史や市町村史などの刊行数の変化について触れ「復帰の年や平和の礎建立など沖縄戦の節目の年に(刊行数が)増えている」と指摘し、「いろいろな問題が起こったら、沖縄は沖縄戦を振り返り、そこから今を考えているのではないか」と述べた。
 また日本軍史料に、中頭から退避してきて、洞窟の場所や部隊の位置を聞く人をスパイとみた、との記述があったことを紹介。「宜野湾や北中城などから来た多くの人が『スパイと言われた』と証言していた。最初はなぜ言われているか分からなかったが、史料を読んで気付いた」と話した。
 参加した沖縄国際大2年生の大城祐里乃さん(19)=糸満市=は「住民視点の史料が多いので、軍の史料は新鮮に感じた。新たな視点で沖縄戦を考えることが大切ではないか」と話した。
英文へ→Some of Okinawan seen as spies in the Japanese Imperial Army documents during the Battle of Okinawa