社会

【ワシントンD・C】新春会に箏の音 譜久嶺、ヤマダさん披露

ワシントンDC沖縄会の新春会で箏の演奏を披露したヘレン・ヤマダさん(左)と譜久嶺絹子さん(右)。中央は指導したサリナ・アドゥさん

 ことしのワシントンDC沖縄会の新春会で2人による初めての箏の演奏が行われ、会に花を添えた。「渡りぞう、瀧落菅撹」と「しち節」を披露したのは譜久嶺絹子さんとヘレン・ヤマダさん。

2人は琉球箏曲保存会のハワイ支部、サリナ箏曲研究所師範のサリナ・アドゥさんに師事している。今回の演奏のためにサリナ師範がハワイから10時間かけてワシントンDC入りし、集中指導を行い、2人の演奏の晴れ姿を見守った。
 生徒の譜久嶺さんは「三線は自己流で始めて何とかなったが、箏は指導者がいないと習得は難しい。ハワイ在のサリナ先生に箏を学びたいと連絡したところ、自分が責任を持って伝授するので即ハワイに来なさいと言われ、昨年10日間箏の修業に行った」と語る。
 稽古は朝から寝るまで。学生時代に体験したテニスの合宿以上の猛特訓だったという。時には午前さまになることも。「慣れない正座、指も痛くなったが、先生の『生徒を一人前にしたい』という強い熱意が伝わり、頑張らねばとの思い一つだった」と話す。
 ことし7月に行われるコンクールのため、絹子さんをはじめ他2人の門下生は沖縄に行き、新人賞に挑戦する予定だ。
 サリナ師範は名護市出身。1994年からハワイ、沖縄で箏を学び、2003年に琉球箏曲保存会教師免許を取得し、11年に師範になった。門下生はハワイのみならずノルウェー、テキサス州、バージニア州そして沖縄にいる。サリナ師範自ら稽古をつけるために飛行機で東奔西走し、生徒を自宅に泊めて集中特訓の教授をするなど琉球箏の普及に力を入れている。門下生は沖縄系だけではなく他府県出身者、そして中国系やベトナム系もいる。
 「徐々にレパートリーが増えると楽しく稽古ができるようになる。箏を習うと琉球古典音楽の素晴らしさ、奥の深さを感じる。練習を積み重ねれば重ねるほど、箏の魅力に引かれる。ストレス解消にもなる楽しい楽器」と語る。
 サリナ師範は地元ハワイの沖縄フェスティバルやマウイフェスタ、沖縄名護クラブのイベントでの演奏を定期的に行い、沖縄でも幾つかのリサイタルに出演している。
 これからの抱負について「琉球古典音楽を若い人に学んでほしい。生徒たちがまた琉球箏の素晴らしさを次世代に伝授してくれることが夢。16年のリサイタルを成功させ、もっと箏の魅力をアピールしていきたい」と語った。
(鈴木多美子通信員)