海の戦没者供養 渡嘉敷沖で洋上慰霊祭、恒久平和誓う


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海上に献花して戦没者を供養する鈴木会長(左)や会員ら=14日、渡嘉敷港沖合

 【渡嘉敷】立正佼成会沖縄教会(鈴木啓修会長)は14日、那覇-渡嘉敷間を運航する渡嘉敷村営旅客船「フェリーとかしき」(499トン、定員450人)をチャーターし、沖縄戦の海中戦没者らの初の洋上慰霊祭を開いた。

 県内の同会会員ら約150人が参加。沖縄戦時遭難船舶戦没者や陸軍沖縄戦特別攻撃隊の海中戦没者、海難事故犠牲者(1963年8月、みどり丸沈没など)のみ霊を慰めるとともに、恒久平和を誓った。
 一行は一般客と共に泊港を出発して渡嘉敷港到着後、一時下船して再び乗船。大雨の中、正午に渡嘉敷港を出港し、同港東沖合で一時停船した。全員が客室で法要を営むとともに、鈴木会長ら代表幹部らが海上に献花した。
 鈴木会長は「船を貸し切って念願の戦没者供養ができたことを感謝する。来年もぜひ、洋上での供養をしたい」とあいさつした。その後、全員が水に溶ける紙に書いた題目を海に流して供養した。
 参加した比嘉順子さん(50)=南城市=は「日本と中国は仲良くしてほしい。沖縄戦で亡くなったみ霊を守ってあげなくてはいけない」と平和を願った。
 一行は、洋上慰霊祭後に渡嘉敷村中央公民館で現地慰霊祭を開き、代表ら50人が渡嘉敷村慰霊碑の「白玉之塔」「集団自決跡地」を訪れてみ霊を供養した。
(米田英明通信員)