県人の絆 熱演 読谷・喜名小6年生


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海外からの救援物資を受け取り喜ぶ県人を演じる児童=15日、読谷村立喜名小学校

 【読谷】読谷村立喜名小学校(稲嶺春美校長)の6年生88人は16日の学芸会で、「Viva!ウチナーンチュ」と題した創作劇を上演した。

戦後、海外に住む県出身者たちが困窮する沖縄を援助した歴史を描き、平和の大切さと県人の絆を確認する物語。ウチナーンチュの素晴らしさを熱演する児童たちに、会場から大きな拍手が送られた。
 88人は派遣教師としてボリビアの移住地で教えた古謝敦子教諭から移民の歴史を学び、5月に南風原町の陸軍病院壕や平和祈念資料館を訪れるなどして平和学習を重ねた。
 第1幕では戦後の沖縄で食料不足に苦しみながらも助け合って生きる人たちを演じた。2・3幕では沖縄の窮状を知ったハワイやブラジル移民が立ち上がり、チャリティ民謡大会などを開いて寄付を集め、豚や物資を送る場面を再現した。
 物資を受け取った沖縄の人たちは「ウチナーンチュぬ肝心(ちむぐくる)や、まーんかい居てぃん忘らりしあらんどー(沖縄人の心はどこにいても忘れられることはないよ)」と、海を超えた県人の絆を確認しあった。最後は全員で声を合わせ、「ぬちどぅ宝。これからも平和な世界を守って行きます」と宣言した。
 ハワイからの救援物資を受け取る県人役を演じた屋良俊希(しゅんき)君(12)は「物資を送ってもらったから今の沖縄がある」と支援のありがたみを感じた様子。食料を分け与える女性を演じた新川ふありさん(11)は「戦争で家族を失った悲しみや苦しみを込めて演じた。方言もうまく話せたと思う」と語った。