リュー(沖尚)単複2冠 九州高校総体


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巧みな試合運びで相手に流れを譲らずダブルスを制した沖縄尚学のリュー理沙マリー(手前)・西里夏子組=23日、那覇市の奥武山庭球場(普久原裕南撮影)

 全九州高校総合体育大会は23日、那覇市の奥武山庭球場でテニスの団体・個人シングルス、ダブルスの決勝を行った。

女子シングルスはリュー理沙マリー(沖縄尚学)が優勝し、ダブルスはリュー・西里夏子組(同)が制した。リューは単複2冠を達成した。女子団体決勝は沖縄尚学が宮崎商業に僅差で敗れ、県勢19年ぶり2回目の優勝を逃した。

◆過酷日程、笑顔でクリア/進化し、全国頂点狙う
 ボールが相手の脇をすり抜けて得点が決まり、歓声が沸き上がる。ダブルス決勝の終了は午後7時20分。2冠への長い戦いは、リュー理沙マリーの力強いストロークが終止符を打った。
 ダブルス決勝の相手は、午前9時20分に開始した団体戦決勝のシングルス1、2でリュー、西里がそれぞれ敗れた宮崎商業のペア。だが、リュー、西里は「ダブルスなら負けない」という絶対的な自信があった。
 小学校5年からペアを組み、最初の大会で九州を制覇した。常に冷静なリューと負けん気の強さを前面に押し出す西里。2人は1プレーごとに言葉を交わしてハイタッチし、流れが相手に行きかけても、笑顔でプレーを続け、決して崩れることはなかった。
 ダブルスの前にあったシングルス決勝は九州総体3連覇を目指す山口真琴(長崎・九州文化学園)との対戦。山口は168センチの長身からくり出す高速サービスを武器に、コーナーを突いて155センチのリューを苦しめた。それでもリューは得意のリターンでサーブを落ち着いてさばき、逆に相手を走らせて手玉に取った。山口は「カウンターとバックハンドにやられた」と脱帽した。
 初戦は3時間、2、3試合目も2時間半の長い試合だった。日差しの強さに集中力が切れる場面もあったが、インターハイでは1日4試合など、過酷な日程が待っている。「シングルスは優勝を目指す」。1日で経験を重ねたリューは進化した姿を全国の舞台で見せる決意を語った。(関戸塩)