日航、下地島空港株を譲渡 国場組系に全60万株


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下地島空港施設(SAFCO)の株式保有

 民間機パイロット訓練空港の下地島空港を管理・運営する「下地島空港施設」(渡木温彦社長、宮古島市、SAFCO)の筆頭株主の日本航空(JAL)がことし5月、SAFCO全株式の50%に相当する所有株全60万株を県のあっせんで国場組系列の不動産賃貸管理業のコービック(玉城徹也社長、那覇市)に譲渡していたことが分かった。

 県空港課によると、コービックへの打診は2013年8月。コービックはことし3月に譲渡を受ける意向を示し、5月8日のSAFCOの臨時取締役会での承認を経て、正式な契約を締結した。
 県が譲渡先を見つけることが、撤退に伴ってJALが解決金を支払う条件となっていたが、JALによると解決金5千万円は既に県に支払ったという。
 コービックは、琉球新報の取材に対し、譲渡を受けた理由として「下地島空港の先行きが不透明な中、地元経済に貢献ができればと思い取得した」と答えた。下地島空港の利活用については「県が決めることで、われわれが計画できる立場ではない」としている。
 SAFCOの株式は筆頭株主となったコービックのほかに、全日本空輸(ANA)が45%、日本トランスオーシャン航空(JTA)が5%を保有している。
 ANAは「保有株をどうするか決まっていない。コービックからの打診もない。下地島空港での訓練は2014年度以降、完全に撤退した」と話した。
 JTAは「株をどうするか検討していない」と話した。同空港での訓練について「2014年度9~10月の訓練は予定通りに実施する」と説明した。
 県とJALとの民事調停では株式は無償譲渡となっていたが、今回の譲渡についてコービック側は「無償とはいえない」と説明。詳細については「相手のあることで明らかにできない」と話した。