在沖米海兵隊は維持 10年計画「全作戦に対応」


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 【ワシントン=島袋良太本紙特派員】米海兵隊は29日までに、今後10年程度にわたる部隊運用方針を示した計画「遠征軍21」をまとめた。イラク、アフガニスタン戦争の終結を受け、海兵隊の任務は大規模な戦争ではなく、世界各地で突発的な発生が予測される「危機」への迅速な対応に主眼を置くとした。

一方、沖縄に関しては、米本土以外では唯一、海兵隊の最大編成規模である海兵遠征軍を引き続き置くとした上で、「全ての軍事作戦」に対応すると明記した。
 計画はことし3月に米国防総省が公表した「4年ごとの国防戦略見直し(QDR)」を受け、海兵隊がこの春に確定した。
 危機対応を軸とした同計画は、1千~2千人程度の特殊作戦部隊など、比較的小規模の部隊を分散配置する内容。規模の大きな紛争などに対しては小規模部隊を効率的に再編成するほか、米本土からも増派し、大規模部隊を構成することで対応できるとしている。
 海兵隊は2012年に危機対応を担う千人規模の特殊作戦部隊をスペインに設置し、ヨーロッパやアフリカでの即応部隊として運用している。海兵隊は取材に対し、15年には中東にも危機対応部隊を新設し、規模は1900人程度になる見通しだと説明した。
 一方、約2万人の海兵隊員が駐留する沖縄には、最大の編成規模である海兵遠征軍(MEF)を引き続き置く。計画では在沖部隊は危機対応だけでなく「全ての軍事作戦」に対応すると明記。米本土以外では、大規模戦争までの任務を遂行する唯一の海外拠点として沖縄を位置付けていることが浮き彫りになった。
 日米両政府は普天間飛行場を辺野古に移設し、沖縄でのプレゼンス(存在)を維持するとしている。
 (島袋良太本紙ワシントン特派員)