【中国】沖縄への関心高く 上海で世界観光博


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
上海世界観光博覧会に設けられた沖縄のブース=上海市

 5月9日から11日、上海の中心地、静安区にある上海博覧中心で上海世界観光博覧会が開かれた。展示会では、世界各国・各地域から出展があった。その地域独特の趣向を凝らしたブースが置かれ、来場者の目を引き付け、さまざまなイベント、PRが行われた。

 沖縄県のブースは、青い空に青い海のパネル、そして紅型模様をあしらった沖縄らしい、青を連想させるブース。常にたくさんの来場者が集まり、盛り上がりを見せていた。ブース内では、スタッフがパンフレットを用いながら沖縄観光の概要などを説明していた。沖縄出身の西原圭佑さんが三線を演奏し、沖縄の特色ある音色を披露。多くの来場者が足を止め、その音色に聞き入っていた。
 沖縄を訪れたことがある上海出身の周さんは「2年前に行ったことがある。海がきれいで人も親切。また行きたいと思い、ブースで資料を集めていた。前回は団体旅行だったので、今回は個人で離島に行ってみたい。ただ、個人で行くと移動が不便で、また言葉が通じないことが不安だ」と話していた。
 沖縄に魅力を感じ、行ってみたいと思っている中国人は多い。しかし、道路交通に関するジュネーブ条約に加盟していない中国の人が個人で行くとなると、沖縄ではレンタカーを借りて運転することができない。鉄道網が発達していない沖縄では、バスを利用するしかないが、周さんのように、それを不便に感じ、沖縄行きをためらっている中国の旅行者は多い。
 中国人の海外旅行客数は年間1億人以上。観光立県である沖縄は、中国人観光客が不便、不安に感じている部分をカバーするようなサービス、支援態勢をいち早く確立するなど、隣国の“巨大な観光マーケット”への対応が急務となっている。
(小谷良太通信員)