台風8号、傷深く 渡嘉敷・座間味で防波堤が決壊


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台風8号の影響で、大きく崩れた防波堤ブロック=10日、渡嘉敷村の渡嘉敷港

 猛烈な暴風と土砂降りにより、3日間にわたって県民生活に甚大な被害を与えた台風8号。台風が過ぎ去った後の10日も各地で新たな被害が判明した。離島では港に設置された巨大な防波堤ブロックがずれたほか、本島では川の護岸の崩落もあった。

宮古島市では台風余波の強風が吹く海で2人が溺れて亡くなった。携帯電話の通信障害も一部で続いており、台風の爪痕はいまだ残り、住民生活への影響は続きそうだ。

 【渡嘉敷・座間味】台風8号の影響で、渡嘉敷村の渡嘉敷港ではブロックが連なる防波堤(全長216メートル)のブロック3個が崩れ、最大で約10メートルずれる被害が起きた。また数十個の消波ブロックが海中に散乱し、フェリーや高速艇の航路を狭めた。座間味村では阿嘉漁港沖にある第一沖防波堤(全長210・5メートル)の3割ほどが崩壊した。
 渡嘉敷村は9日午前、防波堤と消波ブロックの被害を確認し、10日にダイバーらが海中を調査した。運航上問題がないことを確認したため、11日から運航を再開することを決めた。
 渡嘉敷村によると、防波堤ブロックは長さ20メートル、幅16メートル、高さが14・3メートルで重さが約2千トン。防波堤ブロックは過去に2度動いたことがあるが、いずれも1メートル未満のずれだった。村経済建設課の新里武広課長補佐は「村民はもちろん、観光のためにも運航を再開できて良かった。県と連携し、修復に向け早急に対応したい」と話した。
 座間味村によると、阿嘉漁港沖の防波堤が崩壊したことによる運航への影響はない。阿嘉漁港では2004年10月、沖縄地方に猛威を振るった台風23号でも別の防波堤が決壊している。