県内賃上げ、3965円 上げ幅平均723円増


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 連合沖縄(大城紀夫会長)が10日までに2014年春闘の県内賃金引き上げ状況をまとめた。妥結額は、前年と比較可能な19労働組合の単純平均で3965円となり、前年比で723円増加した。

一方、連合本部の春闘最終集計によると、ことしの賃上げ平均は前年同期比で1062円増加の5928円だった。
 連合沖縄は「一部企業の大幅な増加が平均妥結額を引き上げているものの、全体としては、ばらつきがある。物価上昇分の賃上げまでは至らず、生活は苦しい」と指摘。安倍政権の経済政策によって全国の大手企業で賃上げが活発化しているとされるが、県内企業への効果は限定的との見方を示している。
 妥結額は、イオン琉球やJAおきなわなど連合沖縄に加盟する56労組を対象に調査し、28労組が10日までに回答した。前年と比較できる19労組のうち、前年比で増加は12労組、減少は6労組、同額は1労組。最も増加幅が大きかったのは5千円増の9500円、最も減少幅が大きかったのは669円減の3869円だった。妥結額が最も低かったのは1100円だった。
 連合沖縄は、ことしの春闘で労働者の月例賃金(月給)全体の底上げを図るベースアップ1%以上の要求を5年ぶりに掲げている。
 連合沖縄の宮里泰邦副事務局長は「団体交渉で月例賃金の引き上げにこだわり、一定の成果は出た。それぞれの単組の努力だ」と指摘。一方で「企業にとって先行きが不透明な中、政府の経済政策の効果は、地方や中小零細企業まで反映されていないだろう」と述べ、引き続き企業側へ物価上昇分に見合った賃上げを求めていく必要性を強調した。(古堅一樹)