走行中にトンネル点検 計測技術「ミーム」県内で初実施


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
県内で初めて活用されたトンネル点検用の走行型計測車両=6月28日、琉球新報社

 総合建設コンサルタントのニュージェック(大阪市)は、県内で初めて走行型計測技術「ミーム」を用いた道路トンネル点検を実施した。北部国道事務所の委託を受け、国頭村とうるま市の6トンネルを点検した。

車両に20台搭載されたカメラで、目視で確認できないような0・2~0・3ミリのひび割れや異変などを調査する。
 従来のトンネル点検は、交通規制をして整備箇所を目視で点検していた。運転・オペレーターに1人ずつ、検査員と交通誘導員に3~4人ずつ、最低10人の人員が必要だった。交通規制下での点検は、全ての不良箇所を見つけることが難しく、小さな亀裂などは見落としやすい。人材不足や経済的負担、正確性などが課題となっていた。
 ニュージェックが導入したミームは、車両に20台のカメラを搭載。小さな亀裂まで検出できるよう1台のカメラに3台のLEDを付けている。時速80キロ程度の速度で走行しても計測できる。画像撮影とレーザースキャン・GPS測量を活用する。約1カ月間の解析で、トンネルの破損状況を平面・断面の3次元で復元できる。
 1キロメートルのトンネルだと1~2時間で測量が可能だという。交通規制を敷かずに点検が可能なため、最低2人で点検できる。作業時間低減のほか、維持管理の効率化が期待される。
 北部管内のトンネル計測を終えたニュージェック道路グループの中園康平リーダーは「今後、解析時間をより短縮してさらなる時間低減を進めたい」と話した。