三島海雲学術賞 渡辺准教授(東大)が受賞


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(左から)渡辺美季氏 石川千恵氏

 【東京】公益財団法人「三島海雲記念財団」は11日、第3回三島海雲学術賞・第52回学術研究奨励金の贈呈式を都内で開いた。学術賞には、近世琉球と中日関係を研究している渡辺美季東京大学准教授が選ばれ、賞状と副賞が贈られた。学術研究奨励金の受贈者には、県内からウイルスや感染症を研究する石川千恵琉球大学助教が選ばれた。

 渡辺氏は、中国(明清)との朝貢関係を維持しつつ日本の支配領域にも包摂されていた16~19世紀の近世琉球の国際的位置を、東アジアの広域的秩序と琉球の国家的営みとの双方から時間軸に沿って丁寧に検証したことが独創的、意欲的として評価された。渡辺氏は「多くの方の支援で研究することができている。微力ながら、社会に資していきたい」と語った。
 石川氏は、食品機能性成分ブテインの抗成人T細胞白血病効果と作用機序の解明に関する研究が評価された。
 三島海雲記念財団は飲料大手カルピスの創業者三島海雲が学者の研究を助成する目的で創設。ことしで52年目を迎える。今回、三島海雲学術賞には応募総数14人の中から3人が選ばれた。学術研究奨励金受贈者には応募総数344人の中から自然科学部門27人、人文科学部門21人が選ばれた。