【フランス】幸地さん、アジアを代表 「実在しない鳥の肖像」展


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 フランスのイッスーダン市にあるロスピス・サン・ロック美術館で、ことし5月23日から8月31日まで開催されている「実在しない鳥の肖像」展で、4大陸にわたる現代アーティスト19人の作品が展示されている。

県出身の幸地学さんの作品もアジアを代表し、十数点が展示されている。
 展示会のタイトル「実在しない鳥の肖像」は、フランスの代表的な文筆家の故クロード・アブリーヌが1950年に創作した詩のタイトル。
 この詩は多くの言語に翻訳されており、その詩をテーマにして、50年代から60年代にかけてシャガールやアトラン、マッソン、藤田嗣治など、多くの著名なアーティストたちが絵画や彫刻、版画などの芸術作品に表している。
 今回、パリの代表的な画廊オーナー、クロード・ルマン氏によって収集された国際的な著名なアーティストの作品がそろい、再びこの企画展が実現した。
 この栄誉ある企画に参加した幸地学さんは「この企画に参加できて幸せだったのは、この詩の内容が僕の芸術観と共感することを深く感じたから。それは人間が現実の厳しさから幻想の世界に憧れても、結局は現実の中で生きることが全て。そして、その現実こそが想像を絶する世界を生み出している。僕の絵画や彫刻にもそのことを常に表現していると感じている」と語った。
(大城洋子通信員)

「実在しない鳥の肖像」に作品が展示された幸地学さん、妻の緑さん
幸地さんの作品を前にして解説するクロード・ルマンさん(前方左)