「不適切」授業は指導 文科相、集団的自衛権で見解


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 【東京】下村博文文部科学相は15日の参院予算委員会で、政府が閣議決定した集団的自衛権の行使容認について学校現場で不適切な解説があった場合には、教育委員会を通じて指導する意向を示した。

県内の中学校の授業で生徒に「誤解」を与える教師の言動があったと指摘する島尻安伊子氏(自民)の質問に答弁した。ただ、「誤解」を与えるとした発言内容について、島尻氏は琉球新報社の取材に対し、「本人から確認していないので、差し控えたい」とし、根拠を明らかにしなかった。
 取材に対し、文科省は現場の指導状況について情報収集はしないと説明した。その上で、不適切な発言があれば学校設置者の市町村が調査し指導するのが通常だとの見解を示した。
 同委員会で、下村氏は「詳細が分からないため、現時点で具体的な判断は差し控えたい」とした上で、「仮に個人的な考え方や一方的な主義主張による不適切な事案であれば、文科省としても必要に応じて教育委員会を通じ指導し、学習指導要領に基づく適切な教育が行われるよう取り組む」と述べた。
 下村氏は、授業で集団的自衛権など社会的な事象を扱う場合について「捉える観点によって恣意(しい)的な考察や判断に陥ることがないよう、さまざまな資料を適切に用いて多面的、多角的に考察することが求められる」とした。
 島尻氏は取材に対し、発言内容には「事実確認はしている」としつつも、「教師の名前や学校を挙げ、謝罪を求めているものでない。本人に確認していないので、コメントは差し控えたい」として明らかにしなかった。