重量挙げの第16回全国高校女子選手権大会最終日は20日、広島県の府中市立総合体育館・ウッドアリーナで行い、63キロ級の福里悠(宮古)はジャークで大会新となる98キロを挙げ、スナッチ78キロと合わせトータル176キロで優勝した。
学校対抗では豊見城が頂点に立った。75キロ級の比屋根真依(豊見城)はトータル155(70、85)で3位に入賞した。
◆覚悟決め、気迫の差し
福里悠が2位の石井未来(三重県・亀山)と1キロ差の首位で始まったジャークは、駆け引きに熱を帯びた。石井が90キロを成功させると福里も決める。2回目も94キロを両者が成功させた。3回目、石井が98キロを落として福里の優勝が確定したが「目の前のものに集中する」と心に決め、自己ベストと同記録で、大会新となる98キロを少しふらつきながらも成功させた。
福里にとっては、昨年2位だった悔しさから雪辱を誓った全国の舞台だった。自己ベスト更新を目標に大会を目指してきたが、直前に腰を痛め、不安な状態で本番を迎えた。
80キロからスタートする予定だったスナッチは、アップで77キロを挙げられず、78キロからに改めた。1回目は挙げる際にキャッチできずに失敗。2回目は焦りが出て落としてしまった。記録なしの恐れがあった3回目は、渡慶次晃監督から「気持ちを盛り上げるように」とアドバイスを受けると「舞台に立ったら自分でやるしかない。気持ちで負けない」と覚悟を決めて臨み、バーベルを高々と挙げきって成功した。
全国の頂点に立ち「ホッとしたというのが一番」という福里だが、監督と握手を交わすと思わず涙がこぼれた。今後は「けがを治して、もっと強くなって、大きな大会に挑みたい」と闘志を燃やした。