“サクサク”新食感黒糖を開発 県農業研究センター


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県農業研究センターが開発したサクサク新食感の黒糖の商品イメージ

 県農業研究センターは22日までに、サクサクとした新食感の黒糖の製造技術を開発した。堅く詰まった従来の黒糖とは一線を画し、減圧下で固形することで内部に空間を作り、口に入れるとすぐ崩れて溶ける食感を追求した。

特許申請中。センターは「エアインチョコのように食感に特徴を持たせた黒糖製品はこれまでほとんどなかった」と、県内企業を中心に新商品作りに活用してもらいたいとしている。
 従来の黒糖と比較して密度は約5~6割まで減少、砕けやすさの破断強度は約4分の1~6分の1。溶けやすさも水に溶ける時間は約3分の1。さまざまな形に成形でき、いったん放冷固形した従来の黒糖も再び溶かして減圧固形すれば、サクサク食感が生まれる。
 センターによると、サトウキビが豊作の年は黒糖も生産過剰となり、メーカーが在庫を多く抱えてしまう事態が出るという。ここ数年は気候要因などでピーク期よりも減少している。センターは黒糖の需給バランスを安定させる目的で消費拡大へ新商品開発の方策を研究してきた。敬遠される要因の一つの堅い食感に注目し、膨らませようと重曹を加えるなど試行錯誤を続けた。
 8月1日にセンターで開く沖縄農業研究会で出願中の特許内容などを発表する。問い合わせはセンター(電話)098(840)8512。