不戦への決意つづる 与那原中・平和学習


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
「思いは一つ、戦争は絶対に許さない」と書かれた感想文を掲げた与那原中学校の掲示板

 【与那原】69年前の沖縄戦を振り返り、平和を考える放送読書と講演会を実施した与那原中学校(淵田立身校長)で、生徒たちから「多くの命を奪う愚かな戦争は絶対に二度と起こしてはならない」という感想文が多く寄せられている。

 与那原中は慰霊の日の前後1週間、特別授業を実施した。沖縄戦当時、ひめゆり学徒隊の一員として動員された女子学生のことや、肉親を目の前で殺害された人、死体を踏んで逃げ回った人のことなど、体験者の悲惨な実態を校内放送を通じて学んだ。
 放送を聞いた1年生から3年生までの計10人の戦争や体験者への思いなどがつづられた。
 3年の男子生徒は「69年前の沖縄戦では4人に1人が亡くなった。人の命とすべてのものを奪う戦争。二度と繰り返さないためには戦争をしないと考えることが大事」と訴えた。
 2年生の女子生徒は「いまでも沖縄には米軍基地があって過重な負担がかかっている。戦争のことを語り継いで基地のない平和な島になってほしい」と記した。1年生の女子生徒は「命どぅ宝という言葉の意味が初めて分かった」と記し、「戦場で殺しあう場面が今も思い出され苦しんでいる人がいることを知って鳥肌がたった。慰霊の日に家族と黙とうをささげ平和が訪れますようにと祈った」ことをつづっている。
 淵田校長は「放送をただ聞くだけでなく、資料を自ら読んで心に訴えながら平和について考えたのが良かったと思う」と話した。
(知花幸栄通信員)