辺野古新基地 28日にもブイ設置


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積み荷を降ろし、米軍キャンプ・シュワブから出ようとするトレーラーを制止しようとして、もみ合いになる市民と警察官=24日午後11時ごろ、名護市辺野古

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸部への移設計画で、防衛省は海底ボーリング調査に向けた浮標灯(ブイ)や浮具(フロート)の設置作業を28日にも開始する方向で最終調整に入った。

一方、関係者によると作業時の警戒準備のため海上保安庁の職員らが沖縄入りした。基地内には新たに仮設事務所が設置され、関係者がゲート前の抗議集会を監視するなど、海上での作業開始の「Xデー」に向け、警戒態勢が強化されている。市民らは24日も新基地建設に反対の声を上げるなど、緊迫が続いている。
 台風の影響などで作業は当初予定より遅れているが、ブイを海上に運ぶための桟橋整備など陸上部分での関連作業を急いでいる。24日もクレーンなど重機を使って沿岸部の作業を継続した。27日ごろまでに桟橋を完成させ、28日以降に海上での作業を本格的に開始する方針。海上保安庁の巡視船や民間の警戒船なども28日から現場海域で警戒に当たらせる方向で調整しているが、作業着手は最終的に気象状況などを見極めて判断する。
 ボーリング調査は月内にも開始する方向で調整しているが、作業の進捗(しんちょく)状況や抗議行動などで8月にずれ込む可能性もある。
 24日は海保職員らが施工区域内でシュワブ内からゴムボートを出し、訓練を実施した。ブイ設置や海底調査に反対する市民らの海上での抗議活動を想定した取り締まりの訓練とみられる。
 防衛局は制限水域沿いにブイを設置し、その内側に沿岸に沿う形でフロートを設置した後、埋め立て部分の起点となる沿岸部直近に海底ボーリングに必要な単管足場を2カ所構築し、調査に着手する方針。
 ボーリング調査の作業期間は11月30日まで。辺野古沖の21地点を掘削する海底地質調査に11日間、船を使った磁気探査に40日間、潜水での磁気探査に140日間を予定。海上の9地点に単管足場、水深の深い12地点にはスパット台船を配置する。
 調査業務委託の特記仕様書によると、スパット台船3隻を福岡から中城港まで運搬する。中城港内岸壁で装備品などを設置する艤装(ぎそう)作業を行い、辺野古沖のボーリング調査地点に向かうことを予定しているが、防衛局は移設計画に反対する市民らの阻止行動などを考慮し、艤装場所の変更も検討している。単管足場は予備2基を含む計8基、ボーリングマシン6台はすでにキャンプ・シュワブに搬入されたとみられる。