抗議排除へ辺野古に巡視船4隻 あすにもブイ設置


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 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に伴い近く実施される浮標灯(ブイ)設置や海底ボーリング調査に関し、26日も作業開始に向けた動きが加速化した。県警は27日にキャンプ・シュワブのゲート周辺に新たに鉄柵を設置する方針だ。海上保安庁は26日、海上での抗議行動を排除するためとみられる巡視船4隻を初めて辺野古沖に投入した。

ブイ設置に向けた作業は28日にも開始される見通しだが、桟橋設置や環境保全対策などの進捗(しんちょく)状況により着手が遅れる可能性もある。31日ごろを軸に調整する海底ボーリング調査については、安全性確保などを優先し、波の高さが1・5メートル以下の日を選んで午前8時以降に開始する方向で調整している。
 26日はオレンジ色の浮具(フロート)がクレーンで沿岸部に移動されるのが確認された。浮具設置の準備はほぼ整ったとみられる。
 辺野古沖に停泊している巡視船4隻のうち、1隻は、中国~九州北部地方の海域を管轄する第7管区海上保安本部の巡視船「きくち」と確認されている。
 那覇軍港から牧港補給地区の沖合にかけて海保の巡視船12隻が停泊しているのが26日夜、確認された。作業開始とともに複数が現場に投入される見通し。
 キャンプ・シュワブのゲート前では同日、移設に反対する住民らが大型貨物車の資材搬入を阻止しようとして警官に制止されるなど、緊迫感が強まっている。新たな鉄柵の設置作業が始まれば、さらに混乱が激化しそうだ。
 一方、25日にキャンプ・シュワブ沿岸部に発電機が持ち込まれたことで夜間工事が行われるとの見方もあった。だが、防衛局は県に提出した埋め立て承認申請で、環境保全措置として海上工事の作業時間を「基本的に日の出1時間後から日没1時間前」「海上や砂浜から光を照射して夜間に作業を行うことはない」などと記載しており、夜間工事は実施しない方針。ジュゴンなどの生息環境に配慮するとした環境保全措置の順守や安全性確保のため、ボーリング調査も作業開始時間を日の出から1時間後以降で調整する。

海上での抗議行動を排除するため投入されたとみられる海上保安庁の巡視船=26日午前10時20分ごろ、名護市の辺野古沖
キャンプ・シュワブで進められている作業