辺野古「最短の方法」 仲井真氏が知事選出馬を明言


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自民党県連の出馬要請を受け、知事選への立候補を明言する仲井真弘多知事=26日、那覇市の知事公舎

 仲井真弘多知事(74)は26日、自民党県連の知事選出馬要請に対し「県民のためにしっかりと知事選挙に向かって頑張っていこうと決意した」と述べ、11月16日投開票の知事選へ3期目を目指して立候補することを表明した。

米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古沖の埋め立て承認については「普天間飛行場の問題を解決する最短の方法だと私は信じている。早く終わりにする」と説明した。
 辺野古移設が「最短」との発言は、これまで「県外移設が早い」などとしてきた発言から一転、普天間の危険性除去策として辺野古移設推進の立場を明確にした。
 仲井真氏は経済界や後援会などの出馬要請に「もう一度チャレンジしたい」と意欲を示していたが、公に出馬を明言したのは初めて。出馬会見は8月7日に那覇市内のホテルで開く。
 仲井真氏は普天間飛行場の危険性除去に意欲を示したほか、教育、子育て、医療、経済振興の成果も強調し「流れを中断させてはいけない。確実なものにする」と3期目への決意を述べた。
 辺野古の埋め立て承認に反対を進言していた公明党県本は仲井真氏の擁立に難色を示し、知事選への対応を決めていない。自民党県連や知事サイドは自公体制での選挙戦に向け公明党県本に支援を求めていく。
 仲井真氏は既に選挙公約の作成に着手しており、8月中に発表する方針。経済振興の発展・継続に加え、普天間飛行場の5年内運用停止や基地返還跡地利用の促進などを盛り込む考えだ。鉄軌道計画など、新たな目玉施策も検討しており、自民党県連や後援会、副知事らと調整している。
 自民党県連は26日午前の総務会で、仲井真氏擁立を全会一致で決めた。党本部や公明党との連携などを心配する声があったが、21世紀ビジョンの策定、沖縄関連予算3千億円確保などを評価する声が強かった。