上江洌が初優勝 女子本部、4連続代表権 県剣道男女選手権


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 剣道の第51回県男子・第13回県女子選手権大会が26日、県立武道館で行われ、男子は上江洌貴大(県警)が決勝で上地安一郎(同)を破って初優勝した。女子はリーグ戦で並んだ本部世梨華(コザ高定時制非常勤講師)が大城優子(別府大)に代表決定戦で勝利し、4年連続で全日本選手権への出場権を手にした。

上江洌は全日本剣道選手権(11月3日、東京・日本武道館)に、本部は全日本女子剣道選手権(9月7日、兵庫県立武道館)に派遣される。

◆「無心の胴」決める
 「いつもあと一歩のところで負けていた。やっと勝てた」と、安堵(あんど)で顔がほころぶ。上江洌貴大(県警)が上地安一郎(同)との延長戦の末、「体が勝手に反応した」という「無心の胴」を決めて、悲願の初優勝を達成した。
 県内の他の大会では優勝経験が豊富な上江洌だが、最高峰の県選手権は過去に2度決勝で敗れた。「この大会を特別視しすぎて自分の剣道ができていなかった」と反省があった。今回は「気迫と集中力、自分の剣道をすれば勝てる」と稽古を重ね「負けない自信」を持って臨んだ。
 同様の顔触れが並ぶ県内の大会では、互いの手の内を知りながらの対戦がどうしても多くなる。準決勝では鹿屋体育大の後輩で前回覇者の嘉陽宗隆(同)を互いに体力を擦り減らしながら退けた。決勝の相手となった上地は豊見城高の先輩。間合いを短く取る上地のペースにはまらないよう、距離を置きながら出方をうかがった。無意識で放った胴は厳しい稽古のたまものだった。
 上江洌は「目標にしていた場所」という聖地・日本武道館での全日本選手権に27歳で初めて挑む。得意のメンとツキを武器に、積極的な剣道が持ち味だ。「自分の剣道人生の全てを出し切って、ベスト8以上を目指す」と力を込めた。(関戸塩)

◆冷静に見極め 鮮やか抜き胴/本部、熱戦制す
 「相手が思いきり跳んでくるので合わせないようにしていた」という本部世梨華が冷静に大城優子の打ち込みを見極め、抜き胴を鮮やかに決めた。約7分に及ぶ熱戦だった。
 この日2回目の対戦となった大城との代表決定戦。リーグ戦の初戦は互いに出方をうかがって5分間、ポイント無しの引き分けだった。集中力を高めて優勝した本部は「ここからがスタート」と、気持ちを全日本選手権に向けた。
 5歳から剣道を始め、25歳ながら段位は5段。4年連続の全日本だが1、2回目は初戦敗退、昨年初めて1勝を挙げた。「沖縄代表として一つでも上に行きたい」と気を引き締めた。

決勝 持ち前の気持ちを前面に出す剣道で攻め込む上江洌貴大=26日、県立武道館第2錬成道場
上江洌貴大
代表決定戦 大城優子の打ち込みに合わせて1本勝ちの抜き胴を決める本部世梨華(左)
本部世梨華