辺野古阻止「再結集を」 島ぐるみ会議、建白書実現求める


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「島ぐるみ会議」の結成大会で気勢を上げる参加者=27日午後、宜野湾市

 県内政財界や労働・市民団体の有志、有識者らでつくる「沖縄『建白書』を実現し未来を拓く島ぐるみ会議」の結成大会が27日午後、宜野湾市民会館であり、主催者発表で2千人余が参加した。

米軍普天間飛行場の県内移設断念などを求めて県内全市町村長と議会議長、県議らが署名し、昨年1月に安倍晋三首相に提出した建白書の理念実現に向け、全県民の再結集を訴える結成アピールを採択。普天間飛行場の名護市辺野古移設や米軍基地の過重負担に象徴される沖縄への「構造的差別」の解消を訴えた。
 大会は、辺野古移設に向けた政府の海底ボーリング調査準備が本格化していることを踏まえ、「辺野古強行をやめさせよう―沖縄の心をひとつに」をテーマを掲げ、登壇者らが辺野古移設阻止を口々に訴えた。
 共同代表の一人の呉屋守将金秀グループ会長は「経済活動は大事だが、ウチナーンチュの尊厳、基本的人権、平和はもっと重要だ」と訴えた。辺野古移設に反対する候補を支援したとして自民党を除名された仲里利信元県議会議長は「沖縄で保革がけんかして喜ぶのは日本政府と米国。金で人の心を奪い、それに乗る沖縄の偉い人もいるが、世論調査でも県民はあくまで県外・国外と言っている」と述べ、県民が一致する必要性を強調した。
 辺野古移設に反対する翁長雄志那覇市長に知事選出馬を要請し、党から除名や離党勧告を受けた那覇市議会自民党新風会の金城徹会長は「自民県連も一緒に首相に建白書を出した。県民の心に寄り添う形で(県連が)再び共になることを期待している」と呼び掛けた。
 会場を訪れた稲嶺進名護市長は大会後、記者団に対し「辺野古では緊迫した状態が続いている。(建白書の理念を)多くの人に広げることが大切だ。一人一人が行動すれば大きな反響があると思う」と話した。島ぐるみ会議は今後、辺野古移設阻止に向け活動を展開、沖縄の現状を全国に訴える運動に取り組む。国連への働き掛けも検討する。