突起鉄板めぐり衝突 シュワブゲート前 台風接近、作業なし


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立ち入り制限区域の拡大に抗議し、民間警備会社の警備員や警察官らともみ合いになる住民ら=30日午前、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ第1ゲート前

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設作業に伴い、キャンプ・シュワブ第1ゲート前に設置された山型の突起がある鉄板をめぐって30日、歩行者や座り込みの市民らの安全性を損なうと主張する住民らと民間警備会社、県警との衝突が繰り返された。

台風接近の影響で海が荒れており、海上での作業は行われなかった。辺野古沖で警戒に当たるため沖縄に派遣されていた海上保安庁の巡視船など十数隻も同日までに大半が沖縄を離れたが、沖縄防衛局はブイ(浮標灯)設置の際にブイを海上に固定するためのいかりを同日早朝シュワブ内に搬入した。
 住民らが30日午前8時に集合した時点で、民間警備会社の警備員は鉄板の前に横一列に並んで立ち入りを制限した。住民らは「なぜ昨日まで(鉄板がある区域まで)入れたのに入れないのか」「(反対運動への)弾圧だ」などと激しく抗議し、制限している区域の境界線で押し合いが続いた。
 住民らは鉄板の上で衝突があった場合を懸念し「命に関わる重大事故につながる」と批判。渡久地修県議(共産)は同日午前、鉄板の大きさ、形状などを確認したいと立ち入りを制限している鉄柵の中へ入ることを要求したが、防衛局の職員は「防衛局の許可を得るように」と拒んだ。
 住民らが開閉式の鉄柵を開け、閉められないように横断幕でくくりつける場面もあったが、防衛局員が取り外し、再び鉄柵を閉めた。
 民間警備会社の警備員を立ち入り制限の前面となる鉄板上に立たせ、基地内の後方で控えている防衛局員に対し、住民からは「ひきょうだ」「防衛局が前に出て来い」との声も相次いだ。