SOBAフェス開催へ ブラジル・カンポグランデ移住100周年


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市の公設市場前にある沖縄そばのモニュメント(カンポグランデ沖縄県人会提供)

 ブラジル南西部の南マットグロッソ州カンポグランデ市(人口約85万人)に県人が移住してことしで100周年となる。街に住む日系移民1万5千人のうち、半数以上が県系人だ。街の名物は県系人が持ち込んだ沖縄そばで、2006年には「SOBA」として市の文化遺産に登録された。公設市場前にはそばのモニュメントが建てられている。13、14日(日本時間14、15日)に開かれる移住100周年記念式典の前の期間、「SOBA・フェスティバル」を開催し、沖縄の文化を広くPRする。

 県人は1908年笠戸丸に乗船して、ブラジルに移住した。このうち一部の県系人が14年ごろからカンポグランデ市周辺であったノロエステ鉄道の建設工事に携わったことがきっかけで、市内に県系人が移住し始めた。カンポグランデ県人会はブラジル国内にある県人会44支部のうちの一つ。県系人の活躍もあり、南マットグロッソ州と沖縄県は86年に、姉妹都市提携を結んだ。
 沖縄そばが市内に普及し始めたのは戦後。名護市出身の県系人が市内の青空市場「フェイラ」で働く沖縄出身者向けに提供したことが草分けとされる。やがて、ブラジル人にも評判となり、現在では市場内に約25店、そのほか市内各地にそば屋が出店している。7~17日(現地時間)にかけて開催されるフェスティバルでは、訪れた客にそばが無料で振る舞われる。
 13、14の両日の式典には、県から高良倉吉副知事や県議会議員、移民らの親戚など大勢が出席する予定。ブラジル側も州や市の幹部が参加する予定だ。
 式典前夜の13日には、日本人の移民100周年を記念して作った記念碑の除幕式が催される。式典当日の14日午前には県系人が営む市内の事業所を沖縄の訪問団が視察する。午後の式典と祝賀会は沖縄の訪問団や現地の関係者ら500人以上が集い、盛大に催される。