空域拡大は訓練目的 米海兵隊、本島北部で実弾射撃


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【ワシントン=島袋良太本紙特派員】米海兵隊は16日までに、米軍キャンプ・シュワブ(名護市)と同基地に隣接するキャンプ・ハンセン(金武町、宜野座村など)にまたがる「中部訓練場」上空で、飛行制限の高度を引き上げることを計画していることについて、実弾射撃訓練の実施がその理由だと本紙の取材に対して明らかにした。

 制限空域は現在、シュワブ上空が2千フィート(約610メートル)、ハンセン上空が3千フィート(約914メートル)と設定しているが、4千~8100フィート(約1219~2469メートル)まで引き上げる予定という。
 シュワブ沖に建設が計画される普天間飛行場の代替基地と併せて、周辺の基地機能強化を図る形だ。
 米海兵隊は制限空域の高度拡大について、2010年に日本政府側に「議論するのに適切な時期はいつか」と打診したことを明らかにした。その後、日本側と「今後数年のうちにこの問題に対処することで合意した」という。
 海兵隊は飛行制限高度の拡大で「航空部隊と陸上部隊の実弾射撃訓練を一体的に行うことができるようになる。海兵隊は最高水準の安全を満たした上で、より現実的な訓練ができるようになる」と説明した。
 中部訓練場上空の制限空域の高度拡大は海兵隊が昨年、太平洋地域の計画についてまとめた「戦略展望2025」の中で示していた。