辺野古掘削調査、来月末にも終了 複数同時で短縮


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キャンプ・シュワブ沿岸部のボーリング調査予定21カ所

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場移設に向けて沖縄防衛局が実施している海底ボーリング調査を含む地質調査の概要が19日までに分かった。当初予定していた海底の掘削調査21地点のうち、16地点を海域で、5地点を陸域で実施する。

海域はキャンプ・シュワブ沿岸部の水深の浅い場所7地点、水深の深い場所9地点で実施する。陸域部分はシュワブの砂浜など。1カ所の調査は7~11日間を想定。地質調査の期間は11月30日までだが、防衛局は複数箇所の調査を同時に進めることで早ければ9月末までに掘削調査を終えたい考え。
 秋以降に埋め立て本体工事に向けた実施設計をまとめ、来春にも埋め立て本体工事に着手する方針。
 知事選が迫る中、政府は掘削など海上での主だった作業をなるべく早期に終了させることで埋め立て工事に向けた作業の進捗(しんちょく)を既成事実化し、選挙の争点から外したい思惑もにじむ。
 地質調査には船を使った40日間の磁気探査と、7月ごろから既に開始していたとみられる潜水による140日間の磁気探査も含まれており、地質調査の全体の作業は11月下旬までかかるとみられる。
 防衛局は海底ボーリング調査について、現在実施している浅瀬部分の調査を先行して実施し、スパット台船を既に設置した2カ所については8月下旬までに終了させたい考え。その後、埋め立て部分約160ヘクタールの外縁に沿う形で残り14カ所の掘削調査を実施する。