中真、判定負け 王座奪取ならず 東洋太平洋Sフェザー戦


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王者を相手に積極的に攻め続ける中真光石(左)=24日、沖縄コンベンションセンター(仲本文子撮影)

 プロボクシングの東洋太平洋(OPBF)スーパーフェザー級のタイトルマッチが24日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで行われた。同級4位の中真光石(沖縄ワールドリング)は同級王者のジョムトーン・チューワッタナ(タイ)に0―3の判定で敗れた。スーパーフェザー級の小谷将寿(琉球ジム)は判定、スーパーフライ級の翁長吾央(大橋ジム)はKOで勝利した。

◆中真、強烈フックでダウン奪う
 中真光石(沖縄ワールドリング)は倒れなかった。相手は7戦7勝(7KO)の王者だったが、「怖さはなかった」。強打にさらされながらも踏ん張り、試合終了のゴングが鳴るまで攻め続けた。0―3の判定負けでベルト獲得を逃して「もう少しやれた」との思いは拭えない。それでも最後まで王者を苦しめ、会場のファンを沸かせた。
 見せ場は2回に訪れた。うまく足を使ってサイドに回り込み、強烈な右フックでダウンを奪った。「手応えもタイミングもバッチリで、行けると思った」。力とテクニックで勝る相手に主導権を握らせないため、タイミングを見計らって攻撃する作戦だった。「練習通りのパンチでダウンを取れた」と好感触を得た。
 3回以降は相手のストレートを顔面で受けることもあったが、「パンチは見えていた。まともには食らっていない」ときっぱり。一歩も引かずに強烈なボディーで攻めた。相手の圧力が強まるにつれて動きを制限され、中盤以降は猛攻を受ける時間が長くなった。勝利をつかめず「チャンピオンが総合力で上だった」と認めるしかなかった。「この試合に懸けていた」と表情からは悔しさが消えることはない。33歳のファイターは「体を休めて、前に進みたい」と静かに語った。(平安太一)