来年度概算要求、沖縄振興に3794億 一括交付金も増


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 【東京】内閣府が、2015年度の沖縄振興関連予算の概算要求額を総額3794億円とする方針を固めたことが26日分かった。14年度当初予算3501億円(特会改革影響額含む)から、293億円の増額要求となる。安倍政権としては14年度同様に3千億円台の予算確保を求める仲井真弘多知事の要望に応えることで、11月の知事選で3選を目指す仲井真氏を支援する狙いがあるとみられる。

 予算の柱となる自由度の高い沖縄振興交付金(一括交付金)は14年度より110億円多い1869億円を計上した。内訳は沖縄振興公共投資交付金(ハード事業)が960億円、沖縄振興特別推進交付金(ソフト事業)が909億円。
 太平洋沖合に敷設されている海底ケーブルの陸揚げや、大規模な国際会議や催しの受け皿として県が計画する最大収容2万人の大型MICE(マイス)施設の建設などに活用する。
 国際会議開催に向けた費用5億円を新規で盛り込んだ。英国の有力シンクタンク国際戦略研究所(IISS)が主催する安全保障に関する会議の県内開催を目指す。
 沖縄本島への鉄道導入については、県が要望する「公設民営・上下分離方式」や特例制度などを踏まえた調査費として2億1千万円を要求する。沖縄科学技術大学院大学の新たな教員採用や研究棟の設計費などには21億円増の219億円を求める。
 米軍基地の跡地利用推進費は3億円増の3億8千万円を要求。来年3月までに返還されるキャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区に琉大医学部・付属病院を移転するなど国際医療拠点として整備するための調査費とする。
 税制改正要望案では、米軍用地の公共用地先行取得にかかる特例措置の拡充を要望する。譲渡所得特別控除の対象となる期間を延長するほか、100平方メートル未満についても適用対象とするなど要件を緩和する。