県、岩礁破砕を許可 年度内に辺野古埋め立て着工


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 県水産課は28日、沖縄防衛局が7月11日に提出した米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う埋め立て本体工事の岩礁破砕申請を県漁業調整規則に基づいて許可し、同日付で防衛局に回答を送付した。

海域の埋め立てや護岸構築などが認められ、新基地建設に向けた本格的な工事に着手できる法的手続きが整った。防衛局は本年度内の来年1~2月ごろにも本体工事に着手する方針。工事の許可期間は28日から2017年3月31日まで。
 埋め立て本体工事に着手すれば、06年に日米両政府がキャンプ・シュワブ沿岸部にV字形の滑走路を建設すると合意して以降、初めての海上工事となる。
 埋め立ての範囲は約172ヘクタール。作業ヤードの設置に向け、名護市と協議中の辺野古漁港の埋め立てを含む。移設先の名護市は「岩礁破砕で土砂の堆積など漁港の利用に重大な支障が生じる恐れがあるにもかかわらず、漁港管理者と調整していない」などとして反対の意見書を県に提出していたが反映されなかった。
 県水産課は許可の理由として「総合的に検討した結果、許可することが適当だ」と説明。審査項目は(1)水産動植物などの生育状況や産卵状況(2)漁場利用の状況(3)水質汚濁防止など水産動植物の保護・培養の対策(4)周辺漁場への影響―の4項目。同課は「漁場利用の損失に対する代償措置や汚濁対策が取られている」として「問題ない」と判断した。
 沖縄防衛局は28日、海水や土砂の流れを止める「中仕切り護岸」を新設する工事の一般競争入札を公告した。海上工事の入札手続きは初めて。本体工事は早ければ来年1月か2月に着工する方向で調整している。