キングス、トヨタに惜敗 プレシーズンマッチ


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キングス―トヨタ 第3クオーター、インサイドへ飛び込んでバスケットカウントとなるシュートを決めるキングスの岸本隆一=3日、沖縄市体育館(普久原裕南撮影)

 プロバスケットボールbjリーグの琉球ゴールデンキングスは3日、沖縄市体育館でナショナルバスケットボールリーグ(NBL)のトヨタ自動車アルバルク東京とプレシーズンマッチを行い、78―80で敗れた。キングスがNBLのチームと対戦するのは初めて。

 第1クオーター(Q)は両者が激しく攻防を繰り広げる接戦となった。キングスは岸本隆一の3点弾やアンソニー・マクヘンリーのインサイドなどで得点を重ねた。第2Qに入ると激しく守るトヨタを崩せずにキングスが劣勢に立たされ、28―37で前半を終えた。
 後半はキングスが勢いを取り戻した。第3Qから徐々にトヨタの守備を攻略し、並里成やドゥレイロン・バーンズの得点で点差を詰めた。第4Qには岸本が要所で3点弾を沈めて一時は逆転に成功した。
 しかし残り約1秒でトヨタに得点を許して勝利を逃した。
 トヨタとのプレシーズンマッチは5日午後7時半から同体育館で行われる。

トヨタ自動車アルバルク東京
80―78(17―15,20―13,22―27,21―23)
琉球ゴールデンキングス

 【評】キングスが終盤に粘りを見せたが、あと一歩及ばなかった。第1Qは互いに激しく攻め合って主導権を握れなかった。第2Qはトヨタが堅守から勢いに乗り、キングスはミスが目立ってリードを許した。第3Qはキングスが堅実な守りで攻撃のリズムを生み出し、第4Qでシーソーゲームに持ち込んだ。残り16秒で同点だったが、最後にトヨタが得点して逃げ切った。(平安太一)

<両軍監督談話>
◆歴史に残る試合
 伊佐勉HC(キングス)の話 キングスの歴史に残る有意義な試合だった。個人の能力はトヨタに劣っていない。しかしトヨタは崩れることがなく、その差が出た。去年は優勝で終わり、今年の初戦で負けた。そのことに大きな意味を持たせないといけない。

◆高レベルの試合
 ドナルド・ベックHC(トヨタ)の話 トヨタにとって最初のプレシーズンマッチで、両チームが高いレベルのプレーをしていた。沖縄のファンも温かく、とても素晴らしかった。金曜(5日)の試合も勝つにはきょう以上のレベルでやらなければいけない。

◆リング下攻防、力負け/新チーム白星飾れず
 bjリーグ王者・キングスにとって試練と収穫を伴う船出となった。相手はNBLの強豪・トヨタ。所属する日本代表選手がキングス戦に帯同していないとはいえ、簡単に倒せる相手ではなかった。最終盤まで競った末に2点差で敗戦。今季のキングスがテーマに掲げる「ワクワク、ドキドキ」を多くのファンに届けられた一方、新チームお披露目の舞台を白星で飾れなかった悔しさは残る。
 前半は完全にトヨタのペースだった。好機で確実に得点するトヨタに対し、キングスのシュートはことごとくリングにはじかれた。激しく体を寄せてくるトヨタの守備にも手を焼き、リング下の攻防で完全に力負けしていた。
 キングスが意地を見せたのは第3Qからだった。トヨタの守備をバーンズや並里が崩し、岸本や小菅直人が外からリングを射抜いた。第4Q残り約5分に岸本の3点弾で逆転に成功。再びリードを許したが、残り約16秒に岸本が3点弾を沈めて同点に追い付いた。
 最後はトヨタに軍配が上がり、岸本は「点差以上の差を感じた。(トヨタは)チームとしての完成度が高かった」と悔しそうに語る。バーンズは「まだまだキングスは学ぶ課程にある。また強くなって戻ってくる」と5日の対戦での雪辱を誓った。
(平安太一)

◇金城が手術/右膝半月板の損傷
 琉球ゴールデンキングスは3日、ガードの金城茂之が右膝半月板損傷のため手術を受けたと発表した。手術は8月29日に行われ、すでに退院している。復帰まで1カ月程度となる見通し。10月4日のシーズン開幕に間に合うように、週明けにもリハビリを開始する予定だ。