キングス、猛追届かず プレシーズンマッチ第2戦


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キングス―トヨタ 第1クオーター、厳しいマークを振り切りシュートを放つアンソニー・マクヘンリー=5日、沖縄市体育館(仲本文子撮影)

 プロバスケットボールbjリーグの琉球ゴールデンキングスは5日、沖縄市体育館でナショナルバスケットボールリーグ(NBL)のトヨタ自動車アルバルク東京とプレシーズンマッチ第2戦を行い、75―76で敗れた。

序盤から高確率でシュートを沈めるトヨタに大きく差を広げられた。第2クオーター(Q)から徐々に勢いを取り戻し、アンソニー・マクヘンリーの攻撃で得点したが、トヨタを捉えられず28―41とリードを許して折り返した。第3Qからキングスが猛追。岸本隆一の連続3点弾で追い上げると、第4Qはドゥレイロン・バーンズの積極的な攻めで点差を詰めた。しかしトヨタも勝負どころで得点して、あと一歩で勝利を逃した。キングスは13日に東京都の大田区総合体育館で秋田ノーザンハピネッツとbjリーグ10周年記念試合を行い、10月4日に2014―15シーズン開幕戦を迎える。

トヨタ自動車アルバルク東京
76―75(26―8,15―20,10―12,25―35)
琉球ゴールデンキングス

 【評】トヨタが第1Qで主導権を握り、終盤に粘るキングスを引き離した。キングスは序盤から決定力不足に苦しみ、リバウンド争いでも競り負けて劣勢に立った。第3Qからキングスが勢いを取り戻し、岸本やバーンズの得点で猛追。試合終了の直前にバーンズが3点弾を沈めて1点差に迫ったが、届かなかった。トヨタは攻守ともに安定した試合運びを見せた。(平安太一)

◆大きな意味ある試合
 伊佐勉HC(キングス)の話 この時期にトヨタと試合ができたことは大きな意味がある。トヨタのいいところを盗んで、キングスの色に変えたい。トヨタは安定感があり、うちはまだまだだと感じた。ホームでトヨタと試合をやった意味を今シーズンはしっかりと出していかないといけない。

◆沖縄、素晴らしいチーム
 ドナルド・ベックHC(トヨタ)の話 沖縄はハードにプレーするチームで、最初からたたかないといけないと選手に話した。第1Qはわれわれらしいバスケができて試合のポイントとなった。しかし後半はそれがぶれた。
 沖縄が後半にカムバックして最後まで諦めずにプレーした。素晴らしいチームだと感じた。

◆意地見せるも、課題明白
 第1戦に引き続きNBLの強豪に最後まで食らいつき、bjリーグ王者としての意地は見せた。しかし、キングスの課題は明白だった。決定力不足、リバウンド争い、立ち上がりの悪さ―。プレシーズンマッチの連敗という結果に、小菅直人は「今の自分たちに足りない部分を教えてくれた」と話した。
 第1Qで明暗が分かれた。シュートがリングに嫌われるキングスとは対照的に、トヨタはチャンスで確実に得点して試合の主導権を握った。第1Qでキングスが奪ったのは、わずか8点。マクヘンリーは「フィジカルもメンタルも準備ができていないとトヨタのようないいチームに勝てない」と反省する。
 前半で大きく水をあけられたが、後半は本来の力を取り戻した。岸本隆一の連続3点弾で勢いに乗ると、「相手の疲れを突いて得点チャンスを生かした」というバーンズは内外からシュートを沈めた。最後はバーンズがブザービーターを決めるなど粘り強さは光った。
 結果は1点差。大接戦に多くの観客が沸いた。しかし、岸本は「完敗だった」と肩を落とす。そして、力強く決意を語った。「(プレシーズンマッチの)連敗をしっかり受け止めて強くなる」。今季のキングスも悔しさを力に変えて前に突き進んでいく。(平安太一)