八重山 投手戦制す 県秋季高校野球第1日


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八重山―宮古 9回八重山2死満塁、又吉海智の適時右前打で2点目のホームを踏む黒島投真(右)=7日、沖縄セルラースタジアム那覇(山城博明撮影)

 第64回県高校野球秋季大会は7日、1回戦が始まり、沖縄セルラースタジアム那覇で3試合を行った。緊迫の投手戦となった八重山―宮古の注目カードは2―0で八重山に軍配が上がった。

宮古総実は15安打と打線が爆発し、11―2の七回コールドゲームで沖縄高専を破った。名護は昭薬付に3―2で逆転サヨナラ勝ち。8日は3球場で1回戦9試合を行う。

◆采配ズバリ 又吉決勝打
 ともに新人大会8強の離島対決は、開幕戦を飾るにふさわしい引き締まった試合となった。
 八重山の名嘉真敦希と宮古の松川竜之丞、両エースが投げ合い、ひりひりするような緊張感が続いた。試合が動いたのは最終九回。八重山の仲里真澄監督は2死満塁で又吉海智を代打に送った。指揮官が「何かを持っている男」と言えば、本人も「この場面で出してくれ、決めたらヒーローだと思った」。この回、暴投に二つの四球で、相手投手は慎重になっていた。甘く入った初球を迷いなく強振すると打球は内野手の頭を越え、決勝の2点適時打となった。
 エース名嘉真は立ち上がりこそ不安定だったが尻上がりに調子を上げ、スライダーを武器に3安打完封。野手陣も、断続的な雨と強風の悪条件下で無失策と名嘉真をもり立てた。点を奪った直後の九回裏は先頭打者に四球を与えたが、続く打者の大きな飛球を中堅手の上原泰貴が後ろ向きのまま捕球。名嘉真は「ファインプレーをしてくれ、打たせても大丈夫と力を抜くことができた」と感謝した。
 名嘉真をはじめ、前チームのレギュラー9人のうち8人が残る。「敵は自分」。指揮官の厳しい指導の下で成長してきた離島の雄が、躍進を期している。(大城周子)

<きのうの結果>
▽1回戦
八重山 2―0 宮古
宮古総実 11―2 沖縄高専
   (七回コールド)
名護 3―2 昭薬付

<きょうの試合>
▽1回戦
【セルスタ】9時
西原―那覇商
那覇工―糸満
沖縄水産―南風原
【宜野湾】9時
開邦―陽明
那覇国際―向陽
南部商―首里
【しんきん】9時
石川―具志川
中農南農連合―球陽
与勝―読谷