県内の外国人労働者5年で倍 人手不足深刻


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県内の外国人労働者数

 県内で働く外国人労働者は2008年に比べ約2倍に増え、13年10月末時点で2790人に上っていることが沖縄労働局のまとめで分かった。人手不足が深刻化する中、観光関連や製造業などで新たな労働力として外国人労働者を受け入れる企業が増え、海外からの観光誘客などで利点につなげる例もある。

 飲食店、製造業などで「求人を出しても、地元の人材が集まらない」「賃金を上げても希望者が少ない」などの理由で、県内の日本語学校で学ぶ留学生らをアルバイトで雇う例も増えているという。
 労働局への届け出によると、13年10月末時点で外国人労働者を雇用する県内事業所は777カ所。08年は1439人(事業所数は不明)、09年は事業所596カ所で1699人だったが、年々拡大している。
 13年10月時点の統計によると、国籍別では中国が599人と最多で全体の2割を占め、フィリピン465人、米国391人が続いた。アジアはベトナム144人、韓国141人、南米はペルー58人、ブラジル28人など。先進8カ国とオーストラリア、ニュージーランドを合計すると613人で、うち英国74人だった。
 産業別では、学校や塾での外国語指導など「教育・学習支援業」が全体の約2割に相当する547人と最も多く、次いで宿泊業・飲食サービス業378人、その他のサービス業321人、卸売業・小売業302人、製造業190人だった。
 専門的・技術的分野での在留資格を持つ外国人は752人、アルバイトなどの留学生が634人、技能実習が126人となっている。
 沖縄労働局の國代尚章職業安定部長は「外国人材の活用も一つの検討課題だと考えられる。しかし現在、依然として(失業率や有効求人倍率など)沖縄の雇用情勢は全国一悪い状況だ。その中で、いかに沖縄の人材を活用できるかを考える必要があるのではないか。そのために魅力ある職場づくりに取り組んでほしい」と強調している。
(古堅一樹)